愛する家族のために働き続けてきた自動車整備工と、頼れるのは秘書だけという金儲け第一主義の豪腕実業家。生きざまも身の周りの環境も異なるふたりの共通点は、余命を宣告され、病院のベッドに縛りつけられていること。運命のいたずらか、意味のある偶然か、たまたま知り合ったふたりは、棺桶に入る前にやりたいことを書き綴った“棺桶リスト”を片手に病院のベッドを後にする。原題の“The Bucket List”とは、そのものずばり“棺桶リスト”の意。平凡な幸せの中に美徳を見出し、大それた夢とは無縁に生きてきた自動車整備工のカーターと、サクセスにすがり、家庭の温かみに見放された実業家・エドワードが、当然のようにぶつかり合いながらリストをこなしていく姿にヒューマンな味わいがある。エドワード役のジャック・ニコルソンがシニカルなユーモアを嬉々として滲ませれば、カーター役のモーガン・フリーマンがかわいらしい困り顔で応酬。その光景を名匠ロブ・ライナーが実直に切り取っている。驚くほどハートウォーミングに、極めてストレートに生と死を語れているのは、安堵さえ感じられるベテラン俳優ふたりの名演と確かな存在感があってこそ。エドワードの秘書を好演しているショーン・ヘイズも含め、真摯なメッセージを放つ魅力的な役者たちが、真摯なメッセージを放つ魅力的な作品を生み出している。