人気小説家・朱鷺田亜美は、小学生の一人息子の親権をめぐって離婚調停中。そんなある日、仕事場であるマンションに、夜の間だけ部屋を貸して欲しいという謎の男が現れる。担当編集者・飯島玲子の反対にあうも興味本位で部屋を貸す。謎の男はどうやら向かいのマンションを望遠鏡で覗くつもりらしい。翌朝、部屋に残された望遠鏡を何気なく覗 いた玲子。そこに映ったのは、幼子の虐待現場だった。亜美の書いたベストセラー小説「雪月花」は母親から虐待を受けた少女の物語。向かいのマンションの出来事は、はたして偶然か、必然か?
長谷川朋史