戦争の続いていたスーダン。8 歳のグオル・マリアルの命を守るため、両親は苦悩の末、彼を村 から逃がした。しかし、戦場をさまよい歩くグオルは武装勢力に捕まってしまう。走って逃げる ことに成功し、難民キャンプで保護された彼は、幸運にもアメリカへ移民するチケットを手にす る。高校に入学し、走ると他を圧倒。初めて走ったマラソンで 2012 年ロンドン五輪出場資格を得 る。まるで走ることが彼の運命だったかのように──。しかし、建国されたばかりの南スーダン には国内オリンピック委員会がなく、代表する国がなかった。出場が危ぶまれたが奇跡が起こ る。国際オリンピック委員会(IOC)が“国のない男”といわれた彼の個人参加選手としての出場 を認めたのだ。そして彼は、祖国南スーダンの人々の期待を背負い走り、完走する。不屈の精神 で走り続けるグオルの人生に感動せずにはいられない感涙のドキュメンタリー。
ビル・ギャラガー