一介の旅行者としてソウルを訪れ、幸せな旅を満喫する女性と、労働者として長くそこに暮らす人々という2つの視点から、この街が抱える哀しみ、孤独を描き出した『モーツァルトの街』。映画祭も残すところ2日となった10月25日(土)、「アジアの風」部門に出品された本作が上映され、チョン・ギュファン監督とプロデューサーのチェ・ミエが出席してのティーチインが行われた。
日本が世界に誇る名監督、黒澤明監督の名前を冠した“黒澤明賞”を受賞したロシアのニキータ・セルゲイビッチ・ミハルコフ監督と中国のチェン・カイコー監督の記者会見が10月25日(土)に開かれ、両監督が共に喜びの言葉を述べた。
誰よりも強く、誰よりも孤独な盲目の女剣士、市。誰かに愛されたことも、誰かを愛したこともない彼女が出会った愛と闘いを描いた『ICHI』が10月25日(土)に公開初日を迎えた。主演の綾瀬はるか、大沢たかお、曽利文彦監督が舞台挨拶に登壇した。
1990年、小学校のあるクラスで“ブタを飼って、育てた後、自分たちで食べる”という実践教育が行われ、日本の教育界に波紋を投げかけた。このエピソードを追ったドキュメンタリーが1993年に放映され、動物愛護映画コンクール内閣総理大臣賞などを受賞し、大きな波紋を呼んでから15年、今度は映画となって“いのち”や“教育”のあり方に一石を投じる『ブタがいた教室』。11月1日(土)より全国にて公開される本作がコンペティション部門で公式上映され、10月25日(土)に主演の妻夫木聡と前田哲監督がティーチインに登場した。
家族のために北朝鮮を脱け出し、中国へと渡った父親と、残された息子の壮絶なドラマを描いた『クロッシング 祈りの大地』が「アジアの風」部門に出品されている。本年度のアカデミー賞外国語映画賞の韓国代表にも選出された本作を監督したのは、『火山高』、『百万長者の初恋』などの話題作を世に送り出してきたキム・テギュン。10月24日(金)、テギュン監督とプロデューサーのホン・ジヨンが出席して記者会見が行われた。
兵役を終え、カザフスタンの草原に戻ってきた青年。一人前の羊飼いになろうと結婚を望む彼だったが、“耳が大きすぎること”を理由に断られてしまう。それでも、幸せな生活を夢見る青年の物語『トルパン』。コンペティション部門にノミネートされている本作が10月24日(金)に上映され、上映後のティーチインにセルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督、サマル・エスリャーモヴァ、アスハット・クチンチレコフが登場した。
アフリカ・スーダン西部のダルフールにおける虐殺問題のために立ち上がった人々によって、バルセロナでコンサートが開催される。このコンサートに携わった人々、さらにはこの問題に対し無関心を決め込む都市生活者の姿を描いた40にも及ぶ小さな物語によって紡がれる『ダルフールのために歌え』。コンペティション部門に出品された本作の公式会見が行われ、監督のヨハン・クレイマーを始め、撮影監督のワウター・ウエステルンドープ、製作のエスター・ウダエタ、プロダクション・マネージャーを務めたエルネスト・グアル・ソレ、そして美術担当のリッケ・ジェリアが出席した。
灼熱の砂漠の外れで恋に落ちた青年・ハムーンが、愛する人と結婚するために課せられた試練の数々に立ち向かっていく姿を寓話的に描いた『ハムーンとダーリャ』。10月24日(金)、コンペティション部門に出品されている本作のエブラヒム・フルゼシュ監督とハムーン役のメラン・ゴルモハメドザデが出席しての記者会見が行われた。
2008年2月13日、惜しまれながらこの世を去った巨匠、市川崑監督。70本以上に及ぶその作品歴の中で、唯一公開されていない作品が、1993年の『その木戸を通って』である。日本初の本格的長編ハイビジョンドラマとして完成しながら、ほとんど人の目に触れることなく15年もの間眠っていた本作が10月24日(金)に特別上映され、上映前の舞台挨拶に主演の浅野ゆう子と中井貴一が登壇した。
8世紀先の宇宙を舞台に、ひとりぼっちのゴミ処理ロボット・ウォーリーの愛と勇気の冒険を描いた、ピクサー待望の最新作『WALL・E/ウォーリー』。12月5日(金)の公開を控え、10月21日(火)、本作の日本語吹き替えのアフレコ収録がマスコミ陣に公開された。アフレコに挑んだのは、今回が初のアニメーションの吹き替えとなる、草刈正雄! 宇宙船での一日の始まりを描いたシーンのアフレコ後、その感想を語ってくれた。
N.Y.にあるメトロポリタン歌劇場(MET)の創立125周年を記念して制作されたドキュメンタリー映画『The Audition〜メトロポリタン歌劇場への扉』。年に1回開催される権威あるオーディション、「ナショナル・カウンシル・オーディション」の模様を収めた本作が、10月24日(金)に特別招待作品として上映され、上映後に、2007年に開催されたオーディションのファイナリストであり、トップ合格したオペラ歌手のアンジェラ・ミードが舞台挨拶を行い、ヴェルディの「エルナーニ」より「つれて逃げてよ」と、ヨハン・シュトラウスの「こうもり」より「チャールダーシュ」の2曲を披露した。
アメリカのイラク侵攻によって、イラクに暮らす恋人と連絡が取れなくなった、イスタンブールに暮らす女性・アイチャが、彼に会うために、イラク国境へ向けて旅に出る物語『私のマーロンとブランド』。トルコの新人若手監督、フセイン・カラベイの初長編作である本作が10月24日(金)に「アジアの風」部門で公式上映され、上映後のティーチインにカラベイ監督が登場した。
『死ぬまでにしたい10のこと』、『あなたになら言える秘密のこと』など、女性視点で生きる喜びや人生の再出発を描いてきたスペイン出身の女流監督、イザベル・コイシェ。前作から2年、ペネロペ・クルスと名優ベン・キングズレーを主演に迎え、ピューリッツァー賞作家フィリップ・ロスの傑作小説を映画化した『エレジー』が、来年の公開に先駆けて特別招待作品として10月23日(木)に上映された。上映前には、新作の撮影のため来日中のコイシェ監督による舞台挨拶が行われ、作品について語ってくれた。