Netflixシリーズ『おつかれさま』は本当に骨太なドラマだ。済州島（チェジュド）を舞台にして、聡明なオ・エスンと朴訥としたヤン・グァンシクという夫婦の人生が重厚に描かれている。若き日の2人を演じているのはIUとパク・ボゴムで、中年以降はムン・ソリとパク・ヘジュンに引き継がれている。
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物語が進むにつれて、一家には本当につらいことがあった。それに耐えながらエスンは強く生きていくのだが、彼女のたくましいバイタリティが物語の随所に発揮されていた。その中で特に痛快な出来事になったのが、女性ながら組合長になったことだった。
エスンは小学校のときに級長をできるほどの能力を備えていた。実際にクラスの投票でも級長にふさわしい票数を集めていたのだが、有力者の息子にその座を譲らなければならなかった。有力者がたくさんの寄付を学校にしていたからである。
そのときは本当にエスンも悔しい思いをした。その苦い経験が彼女の人生に暗い影を落としていた。しかし、大人になったエスンは、女性でも能力次第で男性に負けない役職につけることを証明したかった。それが漁村組合長になることであった。
最初は副組合長に甘んじていたのだが、それだけで満足できる彼女ではない。
そのときに組合長になっていたのは因縁があるサンギル（演者チェ・デフン）だ。この男は本当に狡猾で、エスンも一度見合いをして結婚寸前まで行ったという経緯があった。こんな男と結婚しなくてよかったと思えるのだが、そんなサンギルと組合長の座を争うことになった。
夫婦の人生が重厚に描かれたドラマ
サンギルは住民たちに豪華な食事を振る舞ったりして露骨な票集めをしていた。そんな相手に打ち勝ってエスンはついに念願の組合長になった。
彼女は、小学校のときに級長になれなかったことを思い出していた。そうした屈辱を見事に晴らすような組合長就任であった。エスンも、支援者と一緒に歓喜のダンスを繰り広げていた。こういう嬉しい展開には、本当にホロリとさせられる。
文＝康 熙奉（カン・ヒボン）
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