吉沢亮主演映画『国宝』より、メイキング写真が公開された。
本作は、吉田修一の最高傑作との呼び声高い同名小説の映画化。
歌舞伎界を舞台にした本作は、吉田氏自身が、3年の間歌舞伎の黒衣を纏い、楽屋に入った経験を血肉にし、書き上げた渾身の作品。任侠の一門に生まれながらも、歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記だ。

監督は、同じく吉田修一作品の映画化『悪人』『怒り』を手掛けた李相日。吉沢が、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄、彼の親友でライバル、歌舞伎界の御曹司・大垣俊介を横浜流星が演じるほか、渡辺謙、高畑充希、寺島しのぶ、田中泯、森七菜、見上愛、永瀬正敏らが出演する。

そして今回、歌舞伎指導を中村鴈治郎が務めていることが明らかに。人間国宝・四代目坂田藤十郎を父に持ち、2015年に四代目中村鴈治郎を襲名、2019年には紫綬褒章を授与された鴈治郎。吉田氏の黒衣経験も、鴈治郎の元で培われたもの。
さらに、彰子(森)の父親で、歌舞伎役者・吾妻千五郎として出演も。スキャンダルで騒がれた喜久雄に同情して優しくアドバイスをするが、彰子が喜久雄に恋心を抱いていることを知り、娘を使って成り上がろうとする喜久雄に対して厳しくあたる、名門・富士見屋の当主。映画出演は、『ねことじいちゃん』以来だ。

本作について鴈治郎は、「普段は優しい李監督ですが、撮影現場ではより良い作品を目指す方なので、とても厳しかったです。映画は舞台と違い、同じシーンを何度も撮るのでクタクタになると思います。ラッシュ版で吉沢亮さんを始め、彼らの歌舞伎のシーンを観た時に、その時の現場の状況を思い出し、とても感動しました」と明かし、「この映画を通して、歌舞伎を知らない方には、歌舞伎ってこういうものなのかと感じてほしいですし、歌舞伎を観たことのある方には違和感なく、作り事でもなく、自然に観ていただければ一番いいな、と思っています」とコメントしている。
『国宝』は6月6日(金)より全国東宝系にて公開。