アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア 2024」(SSFF & ASIA)のオープニングセレモニーが6月4日(火)、都内にて行われ、千葉雄大、仲里依紗、福士蒼汰、森崎ウィンら豪華ゲストが登場した。
「SSFF & ASIA」はアメリカのアカデミー賞公認の映画祭。「Illuminate Your Life ~いのち 照らせ セカイ照らせ」をテーマに、映画祭史上初となる全編全てをAIが制作したショートフィルムや、パレスチナの難民キャンプを舞台にした物語など、現代の「いのち」や「人生」、「生活」と、それらを取り巻く「セカイ」を照らし出すショートフィルムの数々が集結した。世界114の国と地域から集まった4,936本の中から、選りすぐりの約270作品が上映される。
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俳優たちが短編映画の監督に挑戦する人気シリーズ「WOWOW アクターズ・ショート・フィルム4」のトークセッションに参加したのは、監督を務めた千葉さんら4名。『Harmonia』の千葉監督は、「WOWOW アクターズ・ショート・フィルム2」以来、二度目の挑戦となった。
「成長したな、みたいな話をしたかったんですけど、あまり思い浮かばなくて(笑)。前作を経て言えることは、同じスタッフさんが多かったので、チームワーク、わからないことを素直に聞けたり。アイデアを採用しようとか、部署関係なく話せたことは1回目よりはできたかなと思います」と手ごたえを明かした。
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脚本も手掛けた千葉監督、ストーリーには4人の登場人物が現れ、その中のある俳優・よしあきの視点にフューチャーする。「後半に4人で自分の思いをぶつけ合うシーンがあって、よしあきだけは何も言わず、インタビューで言うんです。僕もたまにインタビューを受けていて“自分ってこういうことを考えていたんだ”って、ふと思うときがあるんです。第三者だから話せたり、気付けることはあるというのを表現したくて」と、自身の経験から生まれた物語となったそうで、必見だ。
『撮影/鏑木真一』という不思議なタイトルで撮り上げたのは、仲監督。大好きだという秋山竜次にオファーをした。
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仲監督は「秋山さんの眼力が大好きなんです。いつも眼力が面白い方向にいくんですけど、絶対何か違った面を撮りたいと。私自身がホラーが好きなので、ホラーで主役がしゃべらないってどんなストーリーになるんだろうって」と変幻自在にキャラクターを操る秋山さんならではの、新しい一面を引き出した。台詞もほぼない作品にて、仲監督は「“うん”という一言だけの台詞も消しました。(秋山さんは)苦しそうでした(笑)」と含み笑いしていた。
『イツキトミワ』の福士監督は、監督業の挑戦について、「どういう言葉、言い方で伝えればいいかをすごく考えるきっかけになったので、演出が楽しいポイントでした。コミュニケーションだなと思いました」とふり返った。
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衝撃的なラストが待っている作品とのことで、「僕自身、ラストが衝撃的になると思っていなくて!脚本を書くときは、主人公を決めて面白いことが起きたらいいな、けど、その主人公がその道を通るかは勝手に決めていってくれる、という書き方なんです」と自分自身予想外の着地に至ったという。
フェスティバルアンバサダーのLiLiCoに続編の可能性を聞かれると「またきます!」と意欲を見せていた。
森崎監督の『SEN』は、ミュージカル仕立ての短編となった。「僕は映像だけでなくミュージカルとして舞台の上に立つこともあり、ミュージカル映画を撮りたいと思いました。日本オリジナルのミュージカル映画はなぜもっと普及しないんだと、アジア、日本ならではのミュージカル映画を作れるのでは、と思いました」と意気込んだ。
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演出面での難しさも実感したと話す森崎監督だったが、「けど、やっぱり物作りってめっちゃ楽しい!みんなで考えて、ああでもない、こうでもないって話すこと、現場で俳優さんとするのが楽しくてしょうがなかったです」と笑顔をのぞかせていた。
オープニングセレモニーには、そのほか、MEGUMI、別所哲也(SSFF & ASIA代表)が登壇した。
「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2024」は6月4日(火)オープニングセレモニー、6月17日(月)アワードセレモニー、オンライン会場は4月25日(木)~6月30日(日)。