杏主演、関根光才監督作『かくしごと』より場面写真が解禁された。
北國浩二の「嘘」(PHP文芸文庫)を原作とした本作は、子を守る母親の強烈な愛と嘘の物語。『生きてるだけで、愛。』(18)で鮮烈な長編監督デビューを飾った映像クリエイター、関根光才の待望の長編第二作目で、主人公・千紗子役を、ドラマ、映画、モデルと幅広く活躍する俳優、杏が演じる。
この度解禁されたのは、記憶を失くした少年・拓未と千紗子、父・孝蔵(奥田瑛二)との姿を捉えた“家族ショット”。記憶を失った拓未が里谷家の一員として過ごす時間が切り取られている。
1枚目は千紗子と拓未が抱き合っている瞬間をとらえたもの。2人の心からあふれ出すような、キラキラとした笑顔が印象的な1枚だ。お互いの体にしっかりと回された両腕から“親子”の仲の良さがうかがえる。
2枚目はトマトを収穫する千紗子と拓未。トマトを摘む拓未を見守る千紗子の表情はやわらかく優しい。
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3枚目は孝蔵と拓未が工房で向き合っているシーン。自宅に隣接された工房にこもり仏像を造る孝蔵と、仏像造りに興味を示す拓未。粘土を捏ねる孝蔵の手元をじっと見つめている。
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さらに4枚目では、孝蔵と似たような服装で粘土を捏ねる拓未の姿が。祖父の背中を追う孫息子といった様子がかわいらしい。
拓未を演じた中須翔真は、2020年NHK連続テレビ小説「スカーレット」で伊藤健太郎演じる川原武志の幼少期、「おちょやん」では成田凌演じる天海一平の幼少期を演じ、2023年「舞いあがれ!」に広田大樹役で出演、朝ドラ常連の注目の子役だ。
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そんな中須さんに、本作の現場では脚本は渡されなかった。事前にセリフを覚えさせず、現場で伝えるという手法を提案したのは関根監督だった。河野プロデューサーは、「経験値のある子なので、脚本を渡してもいいのではないかと私は思っていたのですが、中須くんのいつもと違う不安な気持ちが役にも投影されて自然な言葉が引き出せていたように思います」と評する。
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関根監督は中須さんについて、「とても素直な子で、イノセンスな雰囲気がありました。役者として何とか頑張りたい、仕事として向き合おうという必死さがありながら、純粋に子どもらしく、伸び伸びともしていて。内容的にはすごくハードなシーンが多いので、できるだけ一緒に深く関わって、楽な状態、素直に自分自身らしい状態を作ってあげたいと思いながら接していました」と現場での印象を語っている。
クランクアップの際、現場を離れがたくて泣いていたという中須さん演じる拓未のみずみずしい表情にも注目だ。
『かくしごと』は6月7日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、テアトル新宿ほか全国にて公開。