『マイティ・ソー』や『アベンジャーズ』で嘘と悪戯を愛する裏切り王子として、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)を翻弄してきたロキ。その憎めないヴィランぶり、演じるトム・ヒドルストンのハマりっぷりが人気を呼び、いまやMCUが誇るギャップ王子となっている。“トムヒ”として、日本でも多くのファンに親しまれているトム・ヒドルストン。単独主演シリーズ「ロキ」シーズン2が10月6日(金)よりディズニープラスにて配信されるなか、その魅力に改めて迫った。
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常に観る人を惑わす…
華麗で魅力的な俳優トム・ヒドルストン
“トムヒ”は名門ケンブリッジ大学在学中から舞台作品やTV映画に出演し、その後、ケネス・ブラナーやアンソニー・ホプキンスら名優たちを輩出する英国の王立演劇学校(RADA:ロイヤル・アカデミー・オブ・ドラマティック・アート)で演技を学ぶ。
ケネスが監督を務めた『マイティ・ソー』(11)1作目はMCUにシェイクスピア劇の要素をもたらしたが、ソー役でオーディションを受けていたトムヒはBBCドラマ「刑事ヴァランダー」で共演経験のあったケネス監督により、むしろロキ役に相応しいと抜擢された。そして続く『アベンジャーズ』(12)にて、地球を大ピンチに陥れるヴィランとして大ブレイクを果たす。
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その傍らMCU以外では、ジム・ジャームッシュ監督『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(13)でミュージシャンの吸血鬼、ギレルモ・デル・トロ監督『クリムゾン・ピーク』(15)でゴシックロマンスの妖しい紳士、ベン・ウィートリー監督『ハイ・ライズ』(15)で退廃的な医師など、個性豊かな監督たちのもと、その演技力と耽美的な魅力を存分に発揮。
吹き替えなしで歌唱シーンに挑んだ『アイ・ソー・ザ・ライト』(15)ではワンダ/スカーレット・ウィッチ役のエリザベス・オルセンと、『キングコング:髑髏島の巨神』(17)ではキャプテン・マーベル役のブリー・ラーソン、ニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンと共演も。ブレイク前夜の『ミッドナイト・イン・パリ』(11)では「ロキ」の相棒・メビウス役で知られるオーウェン・ウィルソンとも共演済みだ。
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また、スパイ小説を基にしたスザンネ・ビア監督のドラマ「ナイト・マネジャー」(16)では自身も製作総指揮の1人に名を連ね、ゴールデン・グローブ賞でリミテッドシリーズ/TVムービー部門主演男優賞を受賞。2022年には、久々のコスチューム劇となったApple TV+のドラマ「エセックスの蛇」で牧師役を熱演し、今後は南極単独横断に挑んだ探検家を演じる「The White Darkness」(原題)ほか、スティーヴン・キング原作、マーク・ハミル共演の『The Life of Chuck』(原題)なども控える。
ブロードウェイの舞台「背信」で共演した婚約者ゾウイ・アシュトンは、11月10日(金)公開の最新映画『マーベルズ』に出演しており、MCUカップルとしても話題を呼んでいるところだ。
演技力抜群なトムヒのハマり役!ロキのこれまで
『マイティ・ソー』から『アベンジャーズ』、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(13)、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(18)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(19)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(20)とMCU映画に姿を見せてきたトムヒ演じるロキ。
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兄ソーや父オーディンを裏切ろうとしても見抜かれ失敗したり、最後のツメが甘かったり、ときに冷淡になりきれず兄弟の絆や家族愛を覗かせたりと、これらのシリーズを通じてその完璧でない姿が愛らしく、“憎めないヴィラン”として親しまれてきた。
そもそもロキが『マイティ・ソー』でアスガルドを追放されなければ、ひねくれて『アベンジャーズ』で大暴れすることもなかったし、そこでロキが敗れなければサノスが地球に来ることもなかった。いわば『エンドゲーム』までのMCUはロキが間違った道を選んできたからこそ続いたようなもの!?
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それゆえに、神の気品に溢れながら高慢、狡猾で野心家、承認欲求が強く、実は繊細なハートの持ち主で誰よりも愛に飢えている…といった、ひと言では表せないロキの多彩な魅力が、確かな演技力を持つトムヒが演じることで作品ごとに立体的になっていったといえる。
ちなみに、ソーとの兄弟愛については『マイティ・ソー バトルロイヤル』に登場した「アスガルドのロキの悲劇」や『ソー:ラブ&サンダー』(22)の観光客向けの寸劇などでも触れられている。寸劇で面白おかしくロキを熱演しているのはマット・デイモンだ。
なお、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(23)のエンドクレジットにも、「ロキ」シーズン2に直接繋がる形で登場したロキ。シックなスーツとハットは、まるで英国の名探偵のような雰囲気だった。
さすがトムヒ!ヴィランなのにMCU主人公
&初S2と異例尽くし
ロキが“ヴィラン”としてMCU初の主役となったドラマシリーズ「ロキ」は、『エンドゲーム』で描かれたアベンジャーズの“タイム泥棒作戦”のさなか、映画『アベンジャーズ』でニューヨークで敗れたロキが足元に転がってきた四次元キューブで別の時空へと逃げ出した後のもうひとつの物語。
今作のロキは、『マイティ・ソー バトルロイヤル』を経てより“人間味”豊かになったころとは別人で、『アベンジャーズ』時点のロキ(変異体と呼ばれる)であることがポイントだ。
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「ロキ」は配信されるや、米国で当時のディズニープラス史上最高のオープニング成績を記録し、X(旧Twitter)で毎話トレンド入りするなど注目を集め、シーズン1終了と同時にシーズン2が発表される異例の事態となった。ディズニープラスのマーベルドラマでシーズン2が製作されたのは初めてのこと。一度はアベンジャーズを窮地に追い込んだヴィランなのに、その人気は破格だ。
シーズン1でのロキは、“正しい時間軸”(神聖時間軸)を守っているTVA(時間変異取締局)という謎の組織に拘束され、自由の身になるためTVAの任務に渋々協力するうちに、やがて時間軸を支配する恐ろしい存在に気づいていく。捕らえられた直後に「TVAはまるでサーカス ピエロたちが役割を完璧に演じている」と恐るべき直感で語ったとおり、すべては黒幕“在り続ける者”が描いた筋書きだった。
ロキを10年にわたり演じてきたトムヒだけあり、TVAに運命を握られても強気なところや、神聖時間軸で自身に待ち受ける運命を知ってしまった後の表情、別の時間軸を生きていた“もうひとりのロキ”シルヴィに母親との思い出を語る姿などに、ますますロキというキャラクターが愛おしくなった方は多いだろう。
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シルヴィも幼いころにTVAに捕まって以来、時空を超えながらTVAのハンターたちから逃げ延びてきた。神聖時間軸から枝分かれした変異体は、“剪定”という名のもとに抹殺されてしまうからだ。
トムヒが「凄まじいパワーをもってMCUへ飛び込んでくる」と表現したように、シルヴィはロキらの運命を大きく左右する存在となり、さらに2人は恋に落ちる。これまでの恋の相手はプリンセスもプリンスも「両方だった」と明かしたロキだが、自分の変異体に恋するとはいかにも自己愛強めのロキらしく、ファンにとってもこのカミングアウトは誇らしいものとなった。
だが、ロキとシルヴィはシーズン1に衝撃的なラストをもたらすことになる――。
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シーズン2の見どころは!?
『エブエブ』のキー・ホイ・クァンも参加
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「ロキ」のシーズン2は、まさにその直後から始まる。ロキとシルヴィは離れ離れになり、ロキの身に謎の“タイムスリップ現象”が起こる。TVAにいながら過去と現在を行き来する“タイムスリップ現象”に見舞われるロキの姿は、トムヒの豊かな身体表現も相まって、思わず心配になるほど不憫ながらもかなりユニーク。
そして、ロキは“世界の破滅”という未曾有の危機を防ぐため、文字通り時を駆けて奔走する。魔力を解き放ち、久々に分身を見せたかと思えば、悪戯心も健在。MCUが誇るかつてのヴィランはいつの間にか、世界を救うためにヒーローとしてどうあるべきかという境地に向き合っている(ように見える)。
また、今シーズンに登場するのは、今後のアベンジャーズの最大の敵とされる征服者カーン…ではなく、そのカーンの“変異体”のひとり、ヴィクター・タイムリーという名の19世紀の発明家。果たして彼はロキにどのような影響をもたらすのか。そして、以降予定されているアベンジャーズ映画『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ(原題)』との繋がりは…?
キャストには、シーズン1以上にバディとして心強いメビウス役のオーウェン・ウィルソン。ロキと同様、ひと筋縄ではいかないキャラクターでファンから支持を集めたシルヴィ役のソフィア・ディ・マルティーノ。アニメの時計型キャラクターのミス・ミニッツとともに姿を消したラヴォーナ・レンスレイヤー役のググ・バサ=ローらも続投。
さらに、MCUとは異なるマルチバースの世界をポップに描いた『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のアカデミー賞俳優キー・ホイ・クァンが今シーズンから加わる。「ずっとMCUのファンだった」というクァンがTVAのあらゆることに精通した設備管理部の“O.B.”役という重要な役割を担う。
「ムーンナイト」のジャスティン・ベンソン&アーロン・ムーアヘッド監督コンビは、さらにスケールアップした時間の物語を練りあげ、かつてない映像で示してくれるだろう。
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「ロキ」シーズン2は毎週金曜よる10時~ディズニープラスにて配信(全6話)。
(米国サマータイム終了に伴い11月10日(金)は午前11時から配信)
〈提供:ウォルト・ディズニー・ジャパン〉