公開中の原田眞人監督最新作『BAD LANDS バッド・ランズ』より場面写真が解禁された。
黒川博行による傑作小説「勁草」を『検察側の罪人』や『関ケ原』などの原田眞人監督が、安藤サクラと山田涼介を迎え映画化した本作。先月29日の公開より、SNS上で早くも絶賛の声が相次いでいる。
この度解禁されたのは、犯罪に手を染め、裏社会でしか生きることのできない“持たざる者”である姉ネリ(安藤サクラ)と、弟のジョー(山田涼介)、そして2人を見守る曼陀羅(宇崎竜童)の3人が映し出された場面写真。
SNSなどでも「見応えが詰め込まれた作品」「ラストは言葉にならない想いだらけ」と賞賛を集めるフィルム・ノワールである本作だが、実際はその域を飛び越えるほど、どこか心が温まり爽快感のあるラストに辿りつく作品となっている。それは、大きく巻き起こる巨悪な事件の裏に、家族を持たない者たちが紡いだ本当の家族のように温かくも歪な愛の詰まった物語が見え隠れしているからだろう。
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「ふれあい荘」に住む曼陀羅は、数年ぶりに再会した血が繋がらない姉弟ネリとジョーの、それぞれの思惑を汲み取り、物語の中盤から2人の行く末の重要な鍵を握る存在。ネリを幼いころからよく知る元ヤクザで、ネリ自身も年齢を重ねた曼陀羅を気にかけながら、時には父のように絶大な信頼を寄せている。
ネリとの再会により曼陀羅とも関わっていくこととなるジョーも、次第に彼に心を開いていく。唯一の家族であり心の拠り所であるネリを守りたいというジョーと、誰よりも近くでネリと過ごしてきた曼陀羅。2人がついに手を組み始めたとき、物語は大きく動き出していく…。
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場面写真では、プールバー「BAD LANDS」で話しているシーンと、曼陀羅の部屋にネリが訪ねてくるシーンが切り取られており、舞台挨拶でも、安藤さんが「最高に愛おしいトリオです」とその想いを語ったネリとジョー、そして曼陀羅の関係性が垣間見える。
「まだらぼけの老人を演じるつもり」と撮影に臨み、撮影が終わって2年近くたったいまでも「曼陀羅が抜けない」と言う宇崎さんの熱演は、とびきりキュートで最高にクールな一人の人間の生き様をスクリーンに刻み付けている。
『BAD LANDS バッド・ランズ』は全国にて公開中。