ルーニー・マーラやクレア・フォイ、ジェシー・バックリー、プロデューサーでもあるフランシス・マクドーマンドらが出演した『ウーマン・トーキング 私たちの選択』。この度、作品の要であり、納屋での話し合いを見事演じきった女優陣をサラ・ポーリー監督が絶賛するインタビューが到着した。
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本作で最も重要となるのは、劇中で何時間にも及ぶ納屋での話し合い。アカデミー賞脚色賞を受賞したサラ・ポーリーが脚本を書くうえで楽しくも難しかったと語る。オスカー前哨戦でも第43回ボストン映画批評家協会賞など数々の賞でアンサンブル演技賞を受賞し、脚本のクオリティだけでなく、俳優陣の演技合戦にも注目が集まっている。
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なかでも主演を務めたルーニー・マーラ、オスカー前哨戦で多数の助演女優賞にノミネート・受賞したクレア・フォイ、アカデミー賞ノミネート経験もあるジェシー・バックリーへの注目度は高い。
ルーニー演じるオーナは、村を代表して話し合う3家族のうち、アガタ(ジュディス・アイヴィ)の長女で聡明な女性だ。“事件”によって子どもを身籠った彼女は、もの静かながらも、このまま暴力に耐えてはいけないという強い意志で話し合いに参加する。ポーリー監督はルーニーについて、その器の大きさを絶賛する。
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「ルーニーは、役柄のオーナと同じようなエネルギーをセットにもたらします。思いやりと共感に満ちた人であり、あの納屋で湧き上がってきたさまざまな感情をすっと受け止める器があります。彼女はその場に意識を集中させ、周りの人に注意を注ぐことにすごく長けています。生き生きとした女優だとも思います。自分を曝け出すことも厭わない。エゴがなく、生きた愛の器のような存在です」と監督。
また、クレアが演じるサロメは、アガタの次女で小さな娘がいる。サロメは男たちの所業に激しく怒り、子どもたちを守るために闘うべきだと主張する。感情的なシーンの多いこの役柄を、正確な芝居で演じきったクレアにサラは驚いたと言う。
「劇中でサロメが感情的に独白するシーンがあり、2日間半にわたって120テイクを重ねたのだけど、一度たりとも芝居が揺らぐことがありませんでした。演技の機械のような人で、あのようなスキルとスタミナと正確性を目にするのは初めて。本当に驚きで、みんなも畏敬の念のような眼差しで彼女を見つめていました」。
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そしてフロリダ映画批評家協会賞などで助演女優賞を獲得したジェシーの演技に、ポーリー監督は「マーロン・ブランドやロバート・デ・ニーロなどの名優を思い浮かべる」と話す。「女性たちが議論するシーンで、カメラがいよいよジェシーに焦点を当てるところまでくると、野外で作業をしていたテクニカル・スタッフが、ジェシーの演技を見たいとわざわざモニターのほうへ駆け寄ってくる始末でした。ジェシーにはそういう素晴らしい磁力があります」という。
そんなジェシーが演じるのは、グレタ(シーラ・マッカーシー)の長女・マリチェ。彼女には娘と夫がおり、闘うか、去るか話し合う女性たちの中でも、本当に闘えるのか? 去ったところでどう生きていくのか? そもそも闘うこと、去ることは赦されるのか? という疑念を抱いている人物である。
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三者三様の想いを抱える役柄を演じる彼女たち。世界が評価する女優たちの魅せる圧巻のアンサンブル演技は見逃せない。
今回は、3人が演じるオーナ、サロメ、マリチェのスチールを解禁。畑の真ん中でほほ笑むオーナ、母・アガタと額を合わせ何かを祈るように目をつむるクレア、どこか張り詰めたような雰囲気のマリチェ。それぞれの表情にも注目してほしい。
『ウーマン・トーキング 私たちの選択』は6月2日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイントほか全国にて公開。