《キャサリン/Catherine》
自分と家族のルーツを知るために訪れたパキスタン編も完結したのも束の間、身を挺して世界を守ったナジマのパワーを受け継いだカムランがダメージコントロール局に追われることに。世界は間一髪で救われた中、カマラはどのようにしてミズ・マーベルとなるのか、注目の最終話…!
MCUドラマあるあるになってきている、最終話の詰め込み過ぎ感はやや否めない最終話。正直アクションの派手さはそこまでないし、とんとん拍子に進む流れは物足りないと感じる部分もある。ただ、それでもムスリム系女子高生という以外の点でも、いままでにないアプローチで走り切ったところが素晴らしかった。
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これまでは、家族と何かしら確執があるヒーローを描くことが多かった中、カマラの両親は正面から彼女のスーパーパワーを受け入れ心配しつつも応援し、ブルーノはじめ友人たち、そしてカマラが住むコミュニティの人たちも彼女を応援するという温かいエンディング。
特に「ミズ・マーベル」の由来となった父親との会話のシーンにはその温かみがぎゅっと詰まっていた。人は一人で育つものではなく、家族や友達、地域によって支えられながら自分の道を見つけていくんだよというメッセージとしても受け取れる。終わってみれば、社会を引っ張っていくのではなく、社会に支えられ成長していく、まさに等身大のヒーロー誕生物語に仕上がっていた。
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MCUフェーズ4につながりそうな要素もやっと披露された。ブルーノが、カマラは「突然変異(mutation)だ」と示唆し、そのシーンでチラッと流れたのは「X-MEN」のテレビシリーズテーマソング。明らかに「X-MEN」も今後絡んできそうだ(というかブルーノはDNAの分析までできることにも驚き)。
そしてなんといってもエンドクレジットシーンでのキャプテン・マーベルの登場! ミズ・マーベルは映画『ザ・マーベルズ(原題)』で帰ってくるとのことなので、どのようにカマラとキャロルが絡むのか楽しみだ。
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一方で、これまでのフェーズはサノスという明確な敵がいる中で進む構図だったため、シンプルかつ分かりやすかったが、フェーズ4はまだ方向性が見えにくい。本作はチャレンジングな作風には間違いないが、ムスリム系のストーリーを入れながら、マルチバースの要素も入れつつと、盛沢山で逆に分かりにくい部分も大いにあった。
それは本作単体の問題というより、映画も含めた(特に『エターナルズ』以降の)フェーズ4作品にも同じように言える。出演している役者も、そして新しいヒーローの登場もとても楽しいのだが、多数のクロスオーバーやマルチバースで広がりまくった風呂敷を、これからもっと広げていくのかそれとも畳んでいくのか…。新要素が毎回登場するが、それ以上の熱狂できる何かをファンとしては期待してしまう。
次のMCUドラマは「シー・ハルク」。すでにいくつかのクロスオーバーが噂されているが果たしてどうなるのか、期待したい。