ロンドンのレストランを舞台に、崖っぷちのオーナーシェフの波乱に満ちた一夜を全編90分ワンショットで捉え、本国イギリスでスマッシュヒットとなった『ボイリング・ポイント／沸騰』から、ノーCG、ノー編集、1つのミスも許されない90分間の舞台裏が明かされるスタッフ、出演者が一丸となった緻密な撮影の裏側が解禁となった。
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今回解禁されたのは、フィリップ・バランティーニ監督、脚本家ジェームズ・A・カミングス、撮影監督のマシュー・ルイスがその裏側を語る特別映像と新場面写真6点。困難に溢れる90分ワンカットを取り入れた作品作りの裏側に迫っている。
共同脚本を担当したカミングスは「一般的な映画は編集で物語を伝える。編集によって物語の緊張感を高めることができるが、本作ではそれはできない。だから脚本を書いているとき、物語のペースがつかみづらい。そこが課題だった。カメラの動きなど考慮すべき要素も多かった」とワンカット撮影だからこそ難しかった脚本づくりのポイントを語る。
また、撮影監督のルイスは「撮影前に補助機材を着用して歩き回った。機材が店のカウンターにぶつからないよう、前もって調整する必要があった」とふり返る。補助器具を使って背中からカメラをぶら下げ、入念に撮影のシミュレーションをする当時の映像も登場。
「僕が役者を追うことで物語が展開していくから、時には役者の立ち位置を移動させる必要も出てきた。そんな場合は脚本も直す。登場人物にそれなりの理由を与え、別の場所に移動させたわけだ。空間も狭く、特に厨房を通る際は、近くに火のついたガスコンロがあったりするから大ごと。カメラの動きが少しでもスムーズでなくなると、映画の緊迫感が弱まり観客がしらけてしまう」と、撮影する上での苦労と緊迫感を出すための工夫を明かす。
そのほか、役者の即興演技で出たセリフを積極的に台本に取り入れた脚本づくりの経緯についてや、修正することが増えすぎてしまったときに役者100名を集めて指示。皆で話し合い作り上げた時のエピソードが、当時の映像と一緒に語られている。
新たに解禁された6点の場面写真は、ホールスタッフによる接客シーンや、レストランで働くオーナー・シェフ、アンディ役のスティーブン・グレアムをはじめとしたスタッフたちの写真。さらにキッチンで戸惑いの表情を浮かべる副料理長とコックの表情などの写真など、レストランの表舞台と裏で巻き起こるドラマを期待させるものとなっている。
『ボイリング・ポイント／沸騰』は7月15日（金）よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。
