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「睡眠時の心と音には結びつきがある」と直感していたという音楽家マックス・リヒター。そのアイディアをもとに“眠った状態のまま聴かせる8時間の曲”を作ろうとリヒターから相談を持ちかけられた、脳神経学者で友人のデイヴィッド・イーグルマンは当初驚きを隠せなかったという。
「人間の脳の中では850億個の神経細胞が個別に活動している」「一方 睡眠中はそれらの細胞が集団で動く、だから睡眠中の脳波を測ると緩やかな波が検出される」。では、脳波と親和性が高いのはどんなリズムか? どんな音の繰り返しがふさわしいか? 脳科学者と音楽家が会話を重ねることで、リヒターが目指した徐波(ノンレム)睡眠時の脳波とリズムが調和する音楽が、どのようなプロセスを経て生み出されたのか。その一端を垣間見ることができるシーン映像となっている。
マックス・リヒターといえば、クラシックとエレクトロニック・ミュージックを融合させて作られるポスト・クラシカルの旗手であると同時に、いま映画音楽の世界においてもっとも重要なアーティストの1人。
『戦場でワルツを』でヨーロッパ映画賞作曲賞、『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』でハリウッド音楽メディア賞作曲賞を受賞したほか、ブラッド・ピット主演『アド・アストラ』では先日3月14日に開催された第63回グラミー賞で最優秀スコア・サウンドトラック賞にノミネート。
『メッセージ』のオープニングとエンディングに印象的に使用されたオリジナルスコア「オン・ザ・ネイチャー・オブ・デイライト」は日本でも、iTunes クラシック・チャート1位を獲得した。
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劇中ではそんなリヒターと彼の公私に渡るパートナーであり、本コンサートも一緒に作り上げてきたユリア・マールへのインタビューや、15年間にわたって彼女が撮りためていたリヒターの創作の様子を捉えたプライベート映像、そして彼が作曲家として成功するまでの苦難の道のりやマールとの繋がりも明らかにされていく。監督は「U2」ボノやサム・スミスなど様々なミュージシャンとコラボレートしてきたナタリー・ジョンズが務める。
『SLEEP マックス・リヒターからの招待状』は新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開中。