友人同士や仕事仲間、ときには偶然出会った2人組が活躍する映画ジャンルとして根強い人気を集める「バディムービー」。古今東西で愛されているジャンルだが、ヨーロッパにおいてもハイセンスかつ、メッセージ性にも富んだ作品が続々。今回は、“幸せ”を感じられるヨーロッパ発のバディムービーの注目作を紹介。
『100日間のシンプルライフ』親友同士のトンデモ勝負! 裸一貫、所持品ゼロのシンプルライフとは!?
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ドイツのベルリンを舞台に、親友でビジネスパートナーのパウル(フロリアン・ダーヴィト・フィッツ)とトニー(マティアス・シュヴァイクホファー)が、所持品を全てリセットして100日間究極のミニマリズム生活を行うシンプルライフ・エンターテインメント。
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常にスマートフォンを持ち歩き、ネットショッピングに目がないパウルと、高級なスーツをまとい、育毛剤を欠かさず使うなど外見へこだわりを持っているトニー。趣味や趣向、性格の違う2人だが子どもの頃から一緒に育ち、常に互いを意識し、また比較されてきた。そんな2人が手を取り合いスタートアップの事業で成功を収めたが、あることをきっかけに大ゲンカ。裸一貫、所持品ゼロの状態から、必要なモノを1日1つずつ取り戻し100日間生活するというとんでもない勝負を行うことになる…!
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開始当初は互いに負けたくないというプライドから勝負を続ける2人だったが、日々1つ1つのモノと向き合う中で、次第に心境に変化が訪れる。100日間の生活の果てに見つけた答えとは!?
フィンランドで行われた実験的ミニマリズム生活を記録したドキュメンタリー映画『365日のシンプルライフ』がベースとなっている本作。冬のドイツの街を全裸で走ったり、食べ物を奪い合ったりとコミカルなやりとりを繰り広げるバトルにはワクワクさせられ、ケンカしながらもなんだかんだで互いを気遣う2人は、誰もが認めるベストバディ。家族や友情、そして“本当に必要なモノ”を考え直していく2人の姿が、様々な幸せのかたちについて考えるきっかけとなる1作。
『アメリ』を超えた大ヒット!立場を超えた真の友情『最強のふたり』(2012)
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不慮の事故から車いすで生活を余儀なくされた大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)とその介護者として雇われた黒人青年ドリス(オマール・シー)が、立場を超えて友情を育む実話を基にしたヒューマン・コメディ。
介護者を探していたフィリップは、面接者の中で唯一“同情”を見せなかったドリスを採用する。常識外れの行動をするドリスに周囲は驚きを隠せないが、フィリップにとってドリスとの関係は心地よく、ドリスも新しい世界を知って2人の絆はどんどん深まっていく。
フランスで異例のヒットを記録し、満を持して2012年秋に日本で公開となった本作。日本でも社会現象ともいえるレベルでヒットし、かつて一大ブームを巻き起こした『アメリ』(01)を抜き、11年ぶりにフランス映画の日本国内興収記録を塗り替えた。
涙を誘うのではなく、あくまで2人のやりとりにフォーカスがあてられ、散りばめられたユーモアの数々と芽生えていく強い友情が心を揺さぶる。伏線がつながっていく感動のフィナーレにも要注目。楽しい生活、幸せな人生を形作るものが何かをダイレクトに訴えかけてくる名作の1つ。
動くログハウス!? 夏の日の少年たちの逃避行『グッバイ、サマー』(2015)
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動くログハウスの車で旅に出た14歳の少年2人の青春ロードムービー。学校でからかわれ、悶々とした日々を送っている14歳のダニエル(アンジュ・ダルジャン)の元に、目立ちたがり屋だが機械いじりが趣味のテオ(テオフィル・バケ)が現れる。周囲に馴染めないでいた2人は次第に意気投合し、やがて親友に。うんざりする日々から抜け出したいテオは自分の作った車でダニエルと共に一路旅に出る。様々なアクシデントに遭遇しつつも何とか旅を続ける2人。ダニエルとテオを待ちうける運命とは…?
『エターナル・サンシャイン』をはじめ、創造性と遊び心に満ちた独特の世界観を披露し絶大な支持を得ているミシェル・ゴンドリー監督の自伝的作品。ギミックに富んだ動くログハウスのような2人の車はかわいらしく、テオが手にしているガジェットも遊び心に富んでいる。道中描かれるフランスの風景も美しく、ダニエルとテオのひと夏の大冒険に彩りをそえる。
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14歳の等身大の少年たちの姿が瑞々しく描かれており、もどかしくも甘酸っぱい青春の1ページのような本作は、子どものころには気づかなかった刹那の幸せの日々を呼び起こしてくれる。
『100日間のシンプルライフ』は12月4日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷・有楽町、シネマート新宿ほか全国にて順次公開。