>>『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』あらすじ&キャストはこちらから
フランス映画界を牽引し続ける名優ヴァンサン・カッセルが本作で演じるのは、自閉症スペクトラムのケア施設を切り盛りするブリュノ。ほかの施設で断られた子どもたちも受け入れ、採算度外視、政府からは無認可施設として目を付けられながらも何とか施設を継続しようと奔走する実在の人物がモデルになっている。
そして彼をサポートしながら、ドロップアウトした若者たちの社会復帰を助ける団体の代表マリクをいぶし銀の名優レダ・カテブが演じている。悪役やアクの強い役の印象が強い二人だが、本作では“普通の男たち”を絶妙なバランスで演じているところも見どころだ。
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本作は監督たちが25年以上付き合いのある施設を舞台に、長年温めてきた肝いりの企画。本来脚本を書いてから役者にオファーするのが常だが、実は今回カッセルとカテブには脚本執筆前に出演をオファーしたという。「作品に対するアイディアはあるが、脚本は用意していない。僕らと一緒にモデルになっている団体と長時間過ごしてほしい。それが無理なら、この映画の話はなし。断ってくれ」と大物二人にかなり強気に交渉したという監督たち。
ナカシュ監督曰く、彼らからの返事は早かったそうで「僕らのやり方は間違っていなかった。その日の夕方には二人からほぼ同じ内容のメッセージが送られてきた。『脚本がなくても大丈夫。このまま冒険を続けよう』とね」。
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トレダノ監督は「ヴァンサンは、その人物になりきって身振りや体つきまでも“盗む”という姿勢で臨む。僕らは彼の“変幻自在”の才能を本当に素晴らしいと思っている。レダは繊細かつリアルな演技ができるカリスマだ。本作を成功させるためには、二人のエネルギーが必要だった」と、この二人が必要だった理由を語る。
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彼らの熱意が伝わり、約束通りカッセルとカテブは施設を訪れ、カッセルはステファン・ベナム、カテブはダーウド・タトゥと、それぞれが演じる役のモデルと共に過ごすことになる。自閉症スペクトラムのことを全く知らなかったという二人だが、カッセルは「気がついたら涙を流していたよ。ステファンや団体のスタッフを観察していて分かったのだけど、彼らは献身的で、自閉症の人たちの生活のことだけを考えている。しかも理性的かつ行動的だ」と、これまでにない体験に圧倒されたという。
そしてカテブも「すぐに心を奪われた。とても感動したね。アドベンチャーに溢れたゆたかな世界を発見した」とその時の心境をふり返っている。
また、共に過ごして役作りに役立てたポイントを聞いたところ、「ステファンと一緒にドライブもした。彼の立ち振る舞い、人間性を観察するためだ。演じるときには登場人物の持ち味を出すことが大事だからね。彼の個性を知るのは大切なことだった。具体的には、彼のヤギひげと目線を取り入れた。彼は、相手が落ち着かなくなるからと、あまり人と目を合わせない。それから、心配そうな表情もね」とカッセル。
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カテブも「僕も毎朝ワゴン車で自閉症の子供たちを迎えに行くダーウドの車に同乗させてもらった。彼の温かみのある対応を目の当たりにして、責任の重さをずっしりと感じた。彼らの気持ちを汲み取って絵になければならないからね」とベテランならではのやり方でエモーショナルな部分を役に取り入れたことを明かす。
そして本作の見どころを尋ねると、ナカシュ監督は「全ての登場人物の闘いを投影しているんだ。彼らの闘いとは、弱者の支援を第一に考え、絶対に目を背けずに関わっていくことだ」とコメント。
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そしてカッセルは「この作品は実は自閉症についてはなく、他人への愛、そして献身について描いた映画だ。ひとりひとり違うけれども、一緒に生きていこうというメッセージが入っていると思う」と本作のテーマを総括した。
そんな監督たちとカッセル&レダの4ショットと、トレダノ監督が撮影したセルフィーが到着。本作は昨年のカンヌ国際映画祭でクロージング作品として上映され各所で大絶賛。多いに話題となったが、その多忙な映画祭の隙間時間に撮影された超貴重なオフショット。全員が本作で初めての顔合わせだったが、撮影期間だけでなく、施設のリサーチでも長時間を共にした彼らの仲睦まじさと絆の強さがこの写真からも見てとれる。
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ちなみに、カッセルが抱えている犬はカテブの愛犬ポロくん。カンヌだけでなく、本国のプロモーションでも4人と共にたびたび登場し、フランスのメディアではカテブにポロの質問をするのが恒例に。SNSでもトレンド入りし、話題となっていたという。
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『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』は9月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開。