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本作は、ある出来事で傷ついた若者たちが再び愛を信じて生きる希望の物語。水辺のシーンを集めた場面写真はいずれも、カップルたちのデート風景をとらえ、『WAVES/ウェイブス』のタイトルのごとく、常に穏やかな波が恋人たちを包み込んでいる。
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太陽が照り付けるカリフォルニアのビーチや、洒落たレストランが並ぶ港、マナティーを見に訪れた緑豊かな泉。場所は変われどいつも「WAVES」=「波」が彼らを静かに見守る。
時にカメラを水の中に潜らせて、見つめ合う姿や手を繋いで泳ぐ姿も撮影され、まるで観ている側も一緒に波に漂っているような感覚に。
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本作を監督したトレイ・エドワード・シュルツが影響を受けた監督の1人として名を挙げるのが、リチャード・リンクレイターだ。「リンクレイターの『バッド・チューニング』を初めて観てから、取りつかれたようにそれからずっと考えていたよ。個人的でありながら半自伝的な要素がとても多かった。僕が高校生活を送っていた時とは全く違う時代だけれど、作品に出てくる高校生たちと同じようにテキサスで育ったし、彼らの日常に親しみも持てた。すごく真実味があったんだ」とシュルツ監督。
「現代版の『バッド・チューニング』を作れないだろうか?と思ったよ。リンクレイターからは自然体であることの大切さを学んだ。そうすることでキャラクターやその人生に信憑性を持たせることができるんだ。『ビフォア』シリーズは大のお気に入りだよ」と語る。
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リンクレイターもまた、水辺のシーンを美しく撮る監督。『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』では主人公が恋心を寄せる女性と川に遊びに行き、そこでキスを交わし、『ビフォア・サンセット』では9年後に再会した男女が川沿いを歩き、船に乗りながらお互いの9年間について語り合い、『6才のボクが、大人になるまで。』でも離れて暮らす父子がキャンプで川を訪れ絆を深めるシーンがある。
本作でも、人間関係を1歩進めるロケーションとして水辺を選び、それを美しく切り取っていく。その映像の美しさに酔いしれてみてほしい。
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『WAVES/ウェイブス』は4月10日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。