木下:歌の中でも物語が進んでいくというか、ジャスミンとしても心情の変化がどんどん表れていくのが特徴だと思っていました。例えば、『ホール・ニュー・ワールド』だったら1曲の中で、初めての世界を見て驚きやとまどいがあるところから、憧れの世界を見た喜びになって、アラジンにも惹かれ…という様々な感情が入り混じっているので、歌いすぎないようにしました。心を大事にするのを心がけながら、キャスト(ナオミ・スコット)の細かな表情に歌声の色がマッチングすればいいな、と思いながら挑戦しました。
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中村:…いやあ、びっくりするぐらい、いま、僕が思っていたことをそのまま言ってくれましたよ!
木下:(笑)。
中村:真面目にお答えすると、正直「どうですか?」と言われても、何もわからないんですよ。自分の中にあるものを活かして、どの仕事もやるだけなんです。やれることを頑張ってやった、そうしたらオッケーをもらえた、というだけなんですよね。
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――おふたりの声が合わさったハーモニーを聞かれたときは、どんな気持ちになりましたか?
中村:僕はただただ必死についていっている感じだったので、何かを感じられるほどの余裕がなく…。詳しいことは、専門家に聞いてほしいな(笑)。
木下:私はもともと中村さんの声を、「すごく素敵だな」と思っていたんです。CMでちょっと耳にした声が、とても印象的で。なので、こうして声を重ねられることをすごく楽しみにしていました。初めて一緒に歌わせてもらったときは、もう…この声で包み込んでくれるような、すごく温かくて、優しくて、甘くて。でも、ちょっとどこか心をくすぐるようなところもあって…。すごくいろいろなものがにじみ出ている歌声で、素敵でした。一緒に歌わせていただいて、すごくうれしかったです。
中村:もう、うちの子、いい子でしょう(笑)? ありがとうございます。
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