9時のコンペ作品上映からスタートで、中国のワン・シャオシュアイ監督新作“So Long, My Son”(写真)。上映時間が3時間。息子を事故で失った(かもしれない)夫婦の人生を描いていく内容で、親と息子の関係を軸にしつつ、主題となるのは70年代に文革を体験し、80年代には工場勤務、そして大経済改革の波をくぐってきた親の世代の生きざまである。
「パノラマ」部門でスーダンの監督による“Talking About Trees”というドキュメンタリー。これまた優れた作品で、スーダンの4人のベテラン映画監督で構成されている映画機関が、無くなって久しい映画館を復興させようと画策する姿を描いている。スーダンは89年に軍事クーデターが起きて独裁政権が誕生し、以来映画は迫害され、映画史は分断されてしまった。