最高賞の金熊賞には、ルーマニアの『Touch Me Not』。僕は日記ブログ(Day8)で全くノレなかったと書いているので、恥ずかしい限り。もっとも、業界誌の星取表の評価も芳しくなかったようで(4点満点中、平均1.5点)、かなり評価が割れる作品であることは間違いなさそう。と自分を慰めてもしょうがないけれど、コンペ審査員には本作の果敢な姿勢が刺さったのだろう。これも映画祭の醍醐味だ。
お気に入りだったドイツの『In the Aisles』が無冠に終わりとても残念。気に入っている人も多くて期待したのだけど…。
そしてラヴ・ディアスの『Season of the Devil』(ベルリン終盤で会った日本人の多くの方が劇中の歌を口ずさんでいた)も無冠。アジア唯一のコンペ作品だったので、やっぱり残念だ。でもまあそうは続かないということなのかな。圧政の歴史を描く今作の主題は重要であり、歌のセリフやシャープな映像も堪能できる一方で、僕はラヴ・ディアスの近作では最も冗長感を覚えてしまった。この物語にあの長さは必要ない。ラヴ・ディアス、毎回長尺がネタになるのはいいのだけど、そろそろメリハリを付けないと先が辛いのではないか…。