続けて16時半から「フォーラム」部門で『Yours in Sisterhood』というアメリカ映画。こちらは、70年代にアメリカに存在した唯一のフェミニズム雑誌「Ms.」に寄せられた当時の投書を、現在の女性を中心とした人々が画面に向かって読み上げ、当時と今の状況を比較しながら女性の地位やLGBTの認知や黒人差別など、幅広い社会問題を取り上げていくドキュメンタリー。
『Shakedown』は荒々しいビデオ映像と激しいダンスが特徴的な記録映画で、『Yours in Sisterhood』は洗練された監督の演出が光る作品。スタイルは全く異なるけれども問題意識はいずれも明確であり、期せずして最高の2本立てとなった。レインボーリール映画祭に推薦したいので、連絡してみよう。
『Yours in Sisterhood』の終わる直前に会場を出て、急いで別会場に移動する。というのも、「パノラマ部門」に出品されていた行定勲監督の『リバーズ・エッジ』が、見事に国際批評家連盟賞(FIPRESCI賞)を受賞したので、帰国した監督たちの代理として僕が受賞式に出ることになったのだった!(朝かかってきた電話はこの要件だった)。
主演女優賞は、スウェーデンの『The Real Estate』の女優さんかな…。パラグアイの『The Heiresses』の女優さんが最強の対抗馬。『3 Days in Quiberon』でロミー・シュナイダーを演じた女優さんや、『Daughter of Mine』のアルバ・ロルヴァケルも候補になるだろうけど、んー、ここはインパクトの強さで『The Real Estate』にしておこう。いや、やっぱり違うな。インパクトが強すぎることが敬遠され、最終的には『The Heiresses』の女優さんになるのではないかと予想する!
主演男優は、他の賞と被ってよいなら、『Dovlatov』の俳優。対抗馬はこれまた『In the Aisles』の俳優。ふたりの一騎打ちではないかな?『Damsel』のロバート・パティンソンもとてもよかったと思っているのだけど、んー、受賞はないか…。あ、『The Prayer』の少年もよかった。しかし、あくまで本命は『Dovlatov』ではなかろうか…。