そこで今日は、具体的に2017年のドラマ作品を例に話題の“裏表男子”――その魅力について、ふり返っていきましょう。
■“裏表”の代名詞とも言えるのがこの人
KEY(坂口健太郎) / 「東京タラレバ娘」
「もし~だったら」「あのとき~していれば」――そんな後悔と妄想を繰り返すうちに、仕事も恋愛も完全に行き止まりになってしまったアラサー主人公・倫子(吉高由里子)。現実に打ちひしがれる彼女を前に、「そんなことを言っているから、“タラレバ女”はダメなんだ」と初対面でズバリと言い放った謎の金髪イケメン・KEYを演じたのは坂口健太郎さん。「酔って転んでも、30代は自分で立ち上がれ」など、正論ながら厳しい言葉を平然と放つKEYを前に、最初は視聴者の皆さんも倫子同様「ムムッ」と思ったことでしょう。

しかしながら物語が進むにつれ、彼の言動の根幹には倫子たちの未来を心から案じる真っ直ぐな想いがあることに気づき…。そう念頭に置いてふり返ると、罵声の数々が愛の言葉に聞こえてくるから、あら不思議!(笑) 要は言葉の裏に“愛情”が感じられるかどうかなんですよね! 知らず知らずのうちに彼の魅力にハマってしまった方、結構多いのではないでしょうか。
■物語と共に“裏表”の境目が薄れていく魅力
麦野初(竹内涼真) / 「過保護のカホコ」
生活の全てにおいて親任せ――21歳になるまで“超過保護”に育てられてきた主人公・カホコ(高畑充希)が大学で出会った、自分とは真逆の環境下で育った青年・麦野初を演じたのは竹内涼真さん。幼い頃に親と離れ離れになり、アルバイトを掛け持ちしながら何とかして生活費や学費を稼ぐ苦学生役を見事熱演していました。

「お前みたいな過保護が日本をダメにするんだ」痛烈な批判と共にカホコの前へ登場した初。最初は自分のバイトを無勤で彼女に押し付けたり、食事をご馳走させたりと、ひねくれ者の一面を見せていた初でしたが…カホコの“純真”触れる度、彼の中に少しずつ変化が表れます。不信という殻に包まれていた彼の心が解け、人に甘えてみたいという欲が出てくるのです。人とぶつかり合うことを器用に避けて生きてきた初が、初めて自身の本音とぶつかったとき――強がっていたはずの彼の目から一筋の涙がこぼれ落ちた瞬間、思わずその背中を抱きしめたくなる愛おしさが胸に押し寄せたことでしょう。“初くんロス”という言葉が、SNS上でたくさん飛び交いました。
■これぞ究極の“裏表”…!?
伊佐山勇樹(西島秀俊) / 「奥様は、取り扱い注意」
最後はこの人! 「奥様は、取り扱い注意」の主人公・菜美(綾瀬はるか)の愛しの旦那様・伊佐山勇樹を演じた西島秀俊さんです。
元特殊工作員という過去を隠し、セレブ合コンで伊佐山と出会った菜美。切った野菜が全部繋がっていようが、夕食の味が個性的だろうが関係ない! 何を出しても満足そうにモグモグ――仕事で疲れている時も欠かさず「今日は何をしていたの?」と笑顔で聞いてくれる伊佐山に、「イケメンでお金持ち。その上、極上に優しいってどういうこと!?」とテレビの前で悶絶した視聴者も多いはず。ご近所トラブルで避難を浴びる菜美の盾となり、彼女を守る姿は圧巻でした。

しかし、世の中そんなに甘くないというのがドラマの面白いところ。この旦那様、実は公安の人間だったんですね~(驚)。菜美を見張るために近づいたということで、先述の“裏表男子”とは逆の豹変がありました。包丁や花瓶が飛び交う、身体能力の高すぎる夫婦喧嘩に加え、まるで警察の取調室のような家族会議…。“裏の顔”という表現が似合う西島さんのニヒルな微笑みを堪能できる一作となっています。
以上、いかがでしたか?
2018年は一体どんな男子が流行するのか! いまからとても楽しみですね。