>>あらすじ&キャストはこちらから
本作は、『はじまりは5つ星ホテルから』『母よ、』などで知られるマルゲリータ・ブイと、『人間の値打ち』『レインマン』などのヴァレリア・ゴリーノを主演に迎えて描くヒューマンドラマ。
『自転車泥棒』『ライフ・イズ・ビューティフル』といったイタリアの人情ドラマの伝統を受け継ぐ本作は、夫と別れた母と13歳の息子が、見知らぬ街で新しい生活をスタートし、押し寄せる困難にぶつかりながらも未来へと歩み進んでいく再生の物語。その本作で、堂々たる演技で観客の心を鷲づかみにする息子役を演じているのが、アンドレア・ピットリーノ。これまで美形俳優を多く生み出してきたイタリア映画界に現れた、今後の活躍が期待される新星だ。

友だちもいない新しい街でひとり孤独に過ごす13歳の息子ヴァレリオを演じるピットリーノは、深い湖のような美しい瞳で、母親を気遣いながらもすれ違う思春期の多感な少年を好演。1人、自転車で街を走り回るだけの毎日に訪れるほのかな“恋”や、我慢の末に怒りを爆発させる表情は、健気でいじらしくもあり、思春期の繊細な心情を見事に体現している。

9歳のころからイタリアのTVドラマで子役として活躍を続けて来たピットリーノは、撮影時も13歳。監督のイヴァーノ・デ・マッテオは、ヴァレリオ役をオーディションで選考した際に、いちばん最初に会ったピットリーノの印象的な瞳が決定打となり、配役を決定したと語っている。

イタリアを代表する大女優2人を相手に、観客の心をぐっとつかむ堂々たる演技を披露し、感動の涙を誘うピットリーノ。美しき新星の瞳と、そのみずみずしい演技に注目してみて。
『はじまりの街』が10月28日(土)より岩波ホールほか全国にて順次公開。