この夏の映画業界は興行成績の面ではもちろん、話題性においても『シン・ゴジラ』と『君の名は。』が圧倒的な強さを見せた。当初は『ファインディング・ドリー』と『ONE PIECE FILM GOLD』の金メダル争いを予想していたが、いまとなってはまったくの的外れだった。予想は的外れに終わったが、東宝が優れた企画力と宣伝力を発揮し、この夏巻き起こした2大旋風は、続編ものに頼りがちだった映画業界にゴジラ級、そして1000年ぶりの彗星並みの強烈なインパクトを残した。もちろん『シン・ゴジラ』は「ゴジラ」シリーズの最新作ではあるが、作品の成り立ちが非常に個性的であり、「ゴジラを見たことない」ファン層の取り込みに成功した点で、オリジナル性の勝利。『君の名は。』旋風は、もはや説明不要だ。SNSを通じた口コミも、大ヒットの要因になっており、今年で言えば『ズートピア』にも同じ現象が起こった。もちろん、映画業界もその重要性は承知しており、プロモーションの段階で「SNS発信力の強い10代~20代前半の女性にアピールすべし」と各社が躍起になっている。合言葉は「とにかく、バズりたい!」。確かに公開前は、仕掛けが功を奏し“バズる”こともあるが、いざ駄作だとわかれば、その反動たるや恐ろしいものがある。そして、こじつけだとしても『ズートピア』『シン・ゴジラ』『君の名は。』には、「音読するとタイトルが5文字」という共通点があり、人から人に伝わる文字通りの“口コミ”を検証する上で、見逃せない。職場や学校、電車のなかや街中で…。5文字のタイトルは、現代人の耳にスーッと入る語感の良さがあるのだろうか? 同時にネットニュースの見出しの文字数を考えると、「最大でも題名は5文字」という意識が働きつつあるかもしれない。今後公開される映画のなかでは、『デスノート』(正式タイトル『デスノート Light up the NEW world』)、『ローグ・ワン』(正式タイトル『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』)に注目。もしどちらも大ヒットを記録すれば、「タイトル5文字=ヒットする」説が認めてもらえるかも? 『ファンタビ』(正式『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』)も文字数をカウントすると5文字なので、こちらのヒットにも期待したい!
東出昌大&池松壮亮&菅田将暉&松坂桃李ら共演『デスノート Light up the NEW world』放送 2019.4.15 Mon 14:00 4月15日(月)深夜の「映画天国」では東出昌大、池松壮亮、菅田…