いま宣伝を担当している『ヴィクトリア』という映画が5月7日(土)より公開となります。この作品がとにかく画期的なのは、全編140分をワンカットで撮影したこと。おそらく映画史上最も長尺のワンカット作品だと思います。しかも、ワンシチュエーションものではなく、ほとんどのシーンが屋外ロケというのが本当に驚きです。ベルリンの街中を歩き回り、クラブで踊り、ビルの屋上に登り、自転車に乗り、車も運転してしまう。これらすべてがワンカットです。22ものロケーションを1台の手持ちカメラが駆けずり回ります。こんな映画観たことがありません。演じる役者たちの緊張感もハンパないでしょう。2時間あまりカットがかからずに演じっぱなしですから、舞台劇に近い一面もありますが、この『ヴィクトリア』はアクション要素も多くて銃撃戦までやってのけます。2時間を過ぎたあたりの終盤にNGでも出したものなら、これまでの苦労が水の泡。これはカメラマンや音声などの技術スタッフにも同じことが言えます。そして、この奇跡的な「撮影」に主人公のヴィクトリアが一夜にして人生を狂わせてしまう「物語」の面白さが合わさります。ヴィクトリアの身に降りかかる衝撃的な出来事を観客にリアルタイムで体感させるためのワンカット撮影とも言えるでしょう。ひとつお知らせですが、この映画『ヴィクトリア』が4月30日(土)放送のNTV「ズームイン!!サタデー」で紹介される予定です。(※情報番組ですので、番組の内容は変更になる場合もあります)この番組の映画紹介VTR用に、同じシネマカフェブログでおなじみの矢田部吉彦さんにインタビュー取材のご協力を頂きました。『ヴィクトリア』は昨年の東京国際映画祭で上映された経緯もあり、映画祭プログラミングディレクターの矢田部さんに映画の魅力を解説いただきました。よろしければ、ぜひ番組もチェックしてみてください!『ヴィクトリア』5月7日(土)より、渋谷 シアター・イメージフォ―ラム、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開です。唯一無二の映画体験をぜひスクリーンで。