2015年も残りわずかとなりました。年末恒例ですが、今年劇場公開された映画を振り返り、個人的な好みの映画ベスト10を選出しました。【洋画】1. 『薄氷の殺人』2. 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』 3. 『フォックスキャッチャー』4. 『Mommy/マミー』 5. 『セッション』6. 『フレンチアルプスで起きたこと』7. 『雪の轍』8. 『ラン・オールナイト』9. 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』10. 『二重生活』【邦画】1. 『ハッピーアワー』2. 『お盆の弟』3. 『野火』4. 『私たちのハァハァ』 5. 『ディアーディアー』6. 『きみはいい子』7. 『ソロモンの偽証 前編・事件』8. 『GONIN サーガ』 9. 『ローリング』10. 『友だちのパパが好き』洋画は『はじまりのうた』『インヒアレント・ヴァイス』『博士と彼女のセオリー』『奪還者』『夏をゆく人々』なども良かったです。今年は何といっても『マッドマックス 怒りのデス・ロード』ですが、それを上回るほど好きなのが『薄氷の殺人』です。(自分の宣伝作品ですが、ひいき目はありません!こうやって書くこと自体が野暮ですがw物語の骨格は火曜サスペンスのような、王道のファムファタールものですが、映画のルックがとてつもなく非凡なんです。自由自在なカメラワークが印象的で、忘れられないショットがいくつもあります。トンネル、観覧者、スケート場などのロケーション、たびたび差し込まれるブラックなユーモア、グイ・ルンメイの手の届きそうな魔性ぶり、切れ味鋭い終幕の仕方まで、すべてが好みな映画です。あとは余談ですが、『はなればなれに』『焼け石に水』『母なる証明』『Mommy/マミー』 など、かっこいいダンスシーンがある映画が大好きです。『薄氷の殺人』のダンスも最高にツボでした。そして今年は邦画も豊作でした。『あん』『この国の空』『ピース オブ ケイク』なども良かったです。その中でも1位の『ハッピーアワー』は本当にすばらしかったので、以下感想を少し。『ハッピーアワー』夫婦や友人でも相手のことを全て理解することはできません。人と人の繋がりの曖昧さがとてもリアルに描かれています。本音を伝えることは難しく、相手のことを考え、空気を読みながら他人と接すること。それが優しさであり、恋愛であり、コミュニケーションなのでしょう。当たり前だけど、形や言葉にはしにくい人間らしさが詰まっています。映画だということを忘れるほど生々しい4人の女性の人生。鑑賞後しばらく経ったいまでも、あの4人のその先に思いを馳せてしまう、そんな映画です。濱口竜介監督は、もしかしたら人間のことを信用していないのかも。いや、人が好きだからこそ、人間の本質を描きたいのかもしれません。他人との距離間が自分と近いのではと、勝手にシンパシーを感じてしまいます。来年も心に残る映画に出会いますように。みなさま良いお年をお迎えください。