(中央)フランク・シナトラ、(左上から時計回り)トニー・ベネット、レディー・ガガ、アリシア・キーズ、ボノ(U2)、アッシャー、アダム・レヴィーン、セス・マクファーレン、キャリー・アンダーウッド、ハリー・コニックJr、ザック・ブラウン、セリーヌ・ディオン、ジョン・レジェンドGetty Images GRAMMY(R), GRAMMYs(R), GRAMMY Awards(R), and the gramophone logo are registered trademarks of The Recording Academy(R) and are used under license (c)2015 The Recording Academy
最高に贅沢な出演アーティスト陣で、まず注目したいのが、セリーヌ・ディオン。彼女はシナトラとデュエットしたこともあるが、先日逝去した夫・レネもまたシナトラの大ファンだった。今回、彼女が熱唱した「All The Way」は夫婦のウェディング・ソングだったことでも知られ、ライブ当時、夫の看病中だったセリーヌは、この特別な曲をシナトラと夫に捧げ、歌い上げている。
また、シナトラゆかりの人物として絶対にはずせないのが、トニー・ベネットだ。シナトラが「音楽界最高の歌手」と讃えたトニーは、古き良きアメリカの美学を伝える第一人者で、2014年にはレディー・ガガとのコラボも話題を呼んだ。グラミー賞の常連である“生きるレジェンド”が登場すると、会場は総立ち! 「I’ve Got the World on a String」でライブを盛り上げている。
さらに、アリシア・キーズが、シナトラのピアノナンバー「I've Got a Crush on You」をしっとりと歌えば、会場は一転、大人のジャズバーの雰囲気に。「あなたに夢中」と歌う恋の名曲は、本来は情熱的で陽気な恋の歌だったが、1939年にリー・ワイリーがスローでセンチメンタルなバラードにアレンジして以来、女心を歌ったバラードとして有名に。アリシアは、この昔から語り継がれた恋のメロディーを、しっとりとしたピアノの弾き語りでシナトラに捧げる。
そして、シナトラ・ナンバー以外の曲も登場。ロンドンからは「U2」のボノとジ・エッジが出演し、シナトラのために彼らが書き下ろした「Two Shots Of Happy, One Shot Of Sad」を披露する。シナトラ自身のことを書いた詞だったが、“本人に却下されてしまった”という逸話を持つ曲だ。その後、ボノはオーケストラでレコーディングし、シナトラの80歳の誕生日に贈ったという貴重なこの曲は、生誕100周年らしいスペシャル・プレゼントとなった。
ライブのトリを飾るのは、我らがガガ。彼女は、シナトラのトレードマークである黒のスーツ&蝶ネクタイ姿で登場し、大ヒット曲「Theme from New York, New York」を熱唱。髪はシナトラのようにオールバックでダンディーに。いつもと違うガガが楽しめるのもうれしいサプライズ。ラスベガスのショー・ガールと共に、ラスベガスの夜に君臨したシナトラの世界を華やかに演出し、ライブを締めくくる。