「昔からジャズを始めR&Bやポップス、50~60年代のものをよく聴いていたこともあって、とりわけ僕自身が生まれる前の音楽が好きなんだ。もちろん、『ザ・フォー・シーズンズ』も好きだよ。『Oh, What A Night』なんかは、子どもの頃、ラジオから流れていたのをよく覚えている。だから、父が『ザ・フォー・シーズンズ』を映画化すると聞いて、この映画はきっと面白いものになるだろうと思ったし、『ザ・フォー・シーズンズ』というバンドが結成される様子やミュージシャンとしてのキャリアがスタートするところから始まる物語にも興味を持ったんだ」。
「楽曲自体はすでに作られていたし、ボブも含めて『ザ・フォー・シーズンズ』の音楽が基盤になっていて僕はそこには関わっていないけれど、映画の最初と最後に出てくる『Oh, What A Night(あのすばらしき夜)』はホーンとストリングスを加えてアレンジしているんだ。映画音楽の仕事は、映画のなかに綴られている感情を音楽で伝えるということではあるけれど、大袈裟なことをしたくないなとも思っている。父は“過度なものは必要ない”という考え方だからね。なおさら音楽で感情を操作してしまうことはしたくないと思った。今回の自分の役割としては、『ザ・フォー・シーズンズ』のすでにある曲からヒントをもらい、それを加味したような曲を入れて繋いでいくことだった」。映画に寄り添う音楽という形は、そのまま父を支える息子という形に重なってくる。