全編にわたりスコットランドの国民的・双子デュオ「プロクレイマーズ」の楽曲だけで綴られた本作は、「ABBA」の楽曲で構成された『マンマ・ミーア!』を彷彿とさせるつくり。特に、クライマックスで登場する「I'm Gonna Be (500Miles)」は、ジョニー・デップ主演作『妹の恋人』の主題歌としても知られ、人気ドラマ「グレイズ・アナトミー」シーズン9でも使われていたプロポーズの定番曲。先日も、本曲を旅先の26カ国ごとに口パクで歌い、4年かけて製作したある男性のプロポーズビデオがYouTubeでも話題になった。
フレッチャー監督曰く、「今回の映画の基になった彼らのアルバム『Sunshine on Leith』は、UKに住んでいる人であれば一家に1枚持っているのではないか」というほどの大ヒットアルバム。また、監督自身は「Mr.ミュージカルというほどではないけど(笑)」と謙遜しながらも、もともと『雨に唄えば』『キャバレー』など50~60年代のミュージカル映画が好きで、俳優としても数多くの舞台を経験してきている。
「ザ・フォー・シーズンズ」の代表曲「シェリー(Sherry)」「君の瞳に恋してる(Can’t Take My Eyes Off You)」などで綴られた映画には、数々のミュージカルにも出演するオスカー俳優クリストファー・ウォーケンもマフィアのボス役で登場。ウォーケンは『ヘアスプレー』のプロデューサー陣と再タッグを組み、年末、NBCが生放送する「Peter Pan Live!」(原題)でフック船長を演じることが決まっており、こちらも期待が高まるところだ。
全米のクリスマスは豪華キャスト競演の名作対決
さらに全米では、日本でもお馴染みの『Annie』(原題)と、グリム童話が散りばめられた人気ミュージカル『Into The Woods』(原題)も映画化され、そろってクリスマス公開となる。
また、ディズニーが製作する『Into The Woods』(12月25日全米公開)は、スティーヴン・ソンドハイムとジェームズ・ラピンが手がけたブロードウェイ・ミュージカル版を基に、ジェームズ・ラピン自らが脚本を務めている。魔女にかけられた呪いを解くため、ある森の中に入り込んでいく主人公の夫婦役には『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のエミリー・ブラントとトニー賞受賞俳優のジェームズ・コーデン。さらに、魔女役にはメリル・ストリープ、赤ずきんのオオカミ役にジョニー・デップ、シンデレラにアナ・ケンドリック、その王子にクリス・パインと、超がつく豪華キャストが集結。監督は『シカゴ』『NINE』のロブ・マーシャルだ。