村上淳の息子・虹郎が7月26日(土)、俳優デビューを飾った主演作『2つ目の窓』の初日舞台挨拶に登壇。実母で歌手のUAが当初、俳優業に反対していたと明かしたほか、「スタッフ、キャストは全員僕の家族だと思っています。いま4人の母がいるんですよ」と発言した。東京・テアトル新宿で行われた初日舞台挨拶には虹郎さんを始め、吉永淳、松田美由紀、渡辺真起子、父親の村上淳、河瀬直美監督が出席した。虹郎さんが言う“4人の母”はUAさんに加えて、河瀬監督、母親役の渡辺さん、ヒロインの母親を演じた松田さんのこと。カンヌの常連である名監督やベテラン女優陣とのタッグで、俳優デビューは豊かな人生経験になったようだ。一方、河瀬監督は「別に2人の子どもだからって、虹郎を起用したわけではありません」と七光りをキッパリ否定し、「自然に負けない存在感がある」と太鼓判を押す。息子の隣に立ち、少々照れくさそうな村上さんは、劇中でも主人公の父親を演じており「久しぶりに再会するシーンでは、すっかり顔つきが変わっていてビックリ。河瀬監督がきっちり追い込んで、役になりきる環境を作ってくれた」と述懐。さらに「それが彼(虹郎さん)の若さなのか、表現者としての才能なのか…。ぜひ、みなさんに見届けてほしい」とエールを送った。第67回カンヌ国際映画祭「コンペティション部門」に出品された本作は、太古から神と人間が共存してきた地・奄美大島を舞台に、16歳の界人(虹郎さん)と同級生の杏子(吉永さん)が淡い初恋、母の死や家族の再生と向き合いながら、“いのち”の繋がりや生きることの意味、自然との共存を自問するヒューマンドラマ。河瀬監督は、本作の撮影前に亡くなった育ての親について言及し、「愛とは自分以外のものを認める心。そんな愛がこの映画にはたくさん存在している。それに気づいたとき、『2つ目の窓』は開き、より豊かな世界に行けると思います。皆さんの“窓”にカギを渡せるような作品になっていれば」と話していた。『2つ目の窓』は全国にて公開中。