フィリップ・シーモア・ホフマンは自分の子どもたちを「財産で甘やかされた子ども」にしたくなかったようだ。今年2月に薬物の過剰摂取により46歳の若さでこの世を去ったフィリップだが、クーパー(10)、タルーラ(7)、ウィラ(5)の3人の子どものために財産を残しておくことを会計士から勧められていたにも関わらず、幾度も拒否していたことが裁判所の文書によって分かった。この事実は、財産手続きにおいて子どもたちを守るためにマンハッタンサロゲート裁判所によって任命された弁護士ジェームズ・ケーヒル・Jr.が、フィリップの会計士デイヴィッド・フリードマンに話し合いをしたところ明らかになった。「New York Post」紙のページシックス欄によると、文書は「会計士がフィリップが亡くなる前に話した会話を思い出したもので、子どもたちのための信託基金を作ることを話しあったが、フィリップによって拒否された」と記述されているという。その代わりに、推定3,500万ドル(約35億5,000万円)とされるフィリップの全財産が、子どもたちの母親であり、フィリップの長年の恋人であったミミ・オドネルに渡されるように設定することで、ミミが子どもたちをしっかりと世話するだろうと信じていたそうだ。文書はさらに「会計士フリードマンはフィリップに対し、ミミはパートナー/恋人ではあるものの、配偶者のように待遇するようにとアドバイスした」と記述されていた。弁護士のメモによると、フィリップは「単純に結婚を信じていない」と会計士に対して打ち明けていたようだ。フィリップとミミは1999年に出会い、同年には既にミミは「実質的な」共同の銀行口座を持っていたという。弁護士は「これほどの財産を共同保有していたということは、フィリップがミミを博愛にあたる人物としてみなしていたことを見てとれる」と考察していた。フィリップの薬物中毒が原因で、ミミはフィリップを死の直前に家から追い出していたものの、弁護士はそのことについては何も不審な点はなかったように承認されるだろうとしている。フィリップの娘が生まれる前、2014年に書かれた遺書には、フィリップの息子の育て方に対し、次のような一風変わった要求が記されていた。「これは私の息子に対する強い希望である。クーパー・ホフマンはマンハッタン、もしくはイリノイ州シカゴ、カリフォルニア州サンフランシスコ内もしくはその近くで育てられること」「この希望の目的は、クーパーがそれらの都市か持つ文化、芸術、建築物に触れることが出来るようにするためである」。(C) BANG Media International