晴れたり雨になったり、急に雷雨になったり突然雹が降ったり…。何かと忙しい梅雨空です。もはやスコール並みの亜熱帯トウキョウ。そんな東京では、今週末からいよいよフランス映画祭が始まりますよ!映画祭前にやるマスコミ試写では結局1本しか観ることができず、あとは会場で観ることになりそうな今年。さて、何を観るか? まず、映画祭に付きものの、配給の決まっている作品とそうじゃない作品。折角ならどちらもこの機会に観ておきたい。特に配給の付いてないのはこれを逃したらもう観られないかもしれない…。と逸る気持ちを抑え、予定を調整して挑むわけです。つか、少数精鋭の12本。どうせなら時間が許す限り、全部観るつもり(←そのつもり)でどうぞ! というわけで、事前の「コレがおすすめ!」的なことができないんですが、唯一観た『素顔のルル』という映画をご紹介しますねー。主演はカリン・ヴィアール。フランス映画好きならお馴染みですね。中年にさしかかる女性を上手く演じる女優さんのひとり。美しい役とそうじゃない役も自由自在。今回は美しさをウリにしない役の方。冴えない中年女性を愛らしく演じています。舞台は大西洋岸のサン・クロワ・ド・ヴィという小さな港町。主人公のルルは就職の面接に失敗した挙げ句、家族の待つ家には帰らず、数日その街に留まることに。そこからルルがもがき、迷い、恋をし、自分自身を取り戻していく。素顔のルルはこんなにも素敵なんだということを。また見逃してはならないのがルルが次々に出会う個性的な人たち。切実な悩みはあるものの、実に人間味溢れて愛おしい。本当の幸福って何かな? と考えさせられつつ物語は進む。ロードムービー的なルルの旅を見守るつもりで観るのもいいかも。鑑賞後はとても爽快。監督はソルヴェイグ・アンスパック。原作はエティエンヌ・ダヴォドーのバンド・デシネだそう。配給は付いていないので日本公開は今のところなさそうだし、残念ながら、監督も女優も来日はせずですが、この機会に是非とも観て欲しい作品です。ところで、フランス映画祭はお馴染みの鑑賞後のQ&Aも楽しみですね。コアなファンがなかなか面白い。今年はどんな質問が飛び交うことやら!