「モードの帝王」と呼ばれ、現在に至るまで揺るぎなき地位を築き上げたハイブランドの創始者にして、フランスが世界に誇る“国宝級”のファッションデザイナー、イヴ・サンローラン。彼の輝かしいキャリアと人生の、その光と影を描いた映画『イヴ・サンローラン』が、9月6日(土)より日本公開されることが決まった。1953年、パリ。21歳の新進デザイナー、イヴ・サンローランは、クリスチャン・ディオールの死後、後継者として指名され、一躍世界の注目を集める。その若き天才が手がけた初めてのコレクションは大成功に終わり、衝撃的なデビューとなった。その才能に惹かれた26歳のピエール・ベルジェは、ディナーの席でイヴに出会い、たちまち恋に落ちる。ベルジェはイヴをデザイナーとして独立させ、“イヴ・サンローラン社”を設立。やがて彼は、世界のファッションに影響を及ぼしていく…。公私ともにサンローランのパートナーだったベルジェ氏が全面協力しただけあり、イヴ・サンローラン財団所有のアーカイブ衣装の貸し出しの許可も得て制作された、ブランド初公認の本格伝記映画となった本作。今年1月、本国フランスで公開されると、賞レースを席巻した『ゼロ・グラビティ』や『あなたを抱きしめるまで』を抜いて、初登場NO.1の大ヒットを記録した。26歳で自らのブランドを設立したイヴ・サンローランは、“スモーキング”や“サファリ・スーツ”、“モンドリアン・ルック”など、20世紀のファッション史に残る数々のコレクションで革命を起こしてきた。映画『昼顔』で衣装を担当したことから女優カトリーヌ・ドヌーヴと出会い、彼女はブランドのミューズともなっていた。そんなサンローラン役に抜擢されたのは、国立劇団コメディ・フランセーズ在籍のピエール・ニネ。サンローランの再来かと思えるほど、酷似した容姿と繊細なキャラクターを卓越した演技力で見事に再現し、フランスの全国民を圧倒させた。彼の美しい素顔は“Beau Garcon(ボー・ギャルソン)=きれいな男”と呼ばれ、いまや人気が沸騰、フランスで最も注目を浴びる若手俳優となっている。「時代を変えた」と言っても過言ではない、天才の華麗なるキャリアと、その裏にある孤独。まるで彼の在りし日の姿のように現れる、新星ピエール・ニネのサンローランに期待が高まるところだ。『イヴ・サンローラン』は9月6日(土)より角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館、シネマライズほか全国にて公開。