1977年に母親が実の娘のヌードを撮るという反道徳的なテーマで、フランスのみならずヨーロッパや日本でも大きな議論を呼んだ写真集「エヴァ」(現題)。11歳で「PLAYBOY」誌のモデルとなったその伝説の少女(エヴァ・イオネスコ)は、34年の時を経て被写体から監督となり自らの体験を映画『ヴィオレッタ』として蘇らせた。そんな本作で鮮烈なデビューを飾った、12歳(※'11年当時)の一人の少女に観客たちは魅了されることとなった。その少女こそ、イオネスコ監督を投影させた本作のヒロイン“ヴィオレッタ”役を熱演した、“フレンチロリータの新星”として注目を集めるアナマリア・バルトロメイである。このほど、彼女の可愛らしい姿を収めた“写真集”のように美しい劇中ビジュアルが到着した。本作の主人公は、女流写真家の母・アンナ(イザベル・ユペール)と娘のヴィオレッタ(アナマリア・バルトロメイ)。仕事で滅多に家に帰ってこず、母の愛情を求める娘・ヴィオレッタは優しい祖母に育てられながら母の帰りを待つ日々を過ごしていた。ある日、突然帰ってきたアンナは、ヴィオレッタを写真のモデルへと誘う。母親に気に入られたいヴィオレッタは被写体となることを選ぶ。しかし、母の要求は徐々にエスカレートし、大胆なポーズを要求されることに。煌びやかな衣装とメイクを重ねたあどけない少女は、次第に“大人の女”の色香を漂わせ、退廃的な少女に変貌していくのだった…。本作が注目を集め始めたのは、遡ること2年と半年前…2011年度のカンヌ国際映画祭で「批評家週間50周年記念作品」として上映されると、そのセンセーショナルな作風から現場は騒然となり、そして絶賛を受け、一気に話題となった。撮影当時はたった10歳。幼さを残しつつも、すでに妖艶な雰囲気を醸し出し、少女・ヴィオレッタを見事に演じ、アナマリア・バルトロメイは作品さながらに大人たちを次々と魅了していった。自分自身の過去を監督という立場から描き出したエヴァも、「ほかの子役とは雰囲気、感覚が全く違う」とアナマリアを高く評価している。美しい見た目だけではなく、アナマリアの魅力はフランスの国境を超え、海外の映画祭(ムンバイ国際映画祭)でも、母役を演じたイゼベルと共に「主演女優賞」を獲得している。『ヴィオレッタ』は5月、シアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。