1977年にアメリカの作家オースン・スコット・カードによって執筆された『エンダーのゲーム』は、SF賞の権威「ネピュラ賞」と「ヒューゴー賞」を史上唯一、2年連続W受賞という快挙を成し遂げた小説。今回、その伝説的SFの世界をディズニーが実写映画化するにあたり、絶版となっていた原作の新訳版が刊行されることが決まった。本作は、異星生命体との宇宙戦争終結という指名を背負った少年が、過酷な戦いに巻き込まれ、葛藤しながら成長を続ける物語。少年の名はエンダー。“終わらせる者”というその名の通り、たったひとり、宇宙戦争を終わらせ、地球を滅亡から救う使命と重圧に立ち向かう――。その斬新な設定はアメリカのみならず、世界中のSFファンに大きな共感と衝撃を与え、もちろん現在の日本のアニメ、漫画、ゲームなどにも多大な影響を与えたと言われている。日本では1987年に原作が刊行されて以来、その人気ゆえ版を重ね続けていた。2007年にはハリウッドで実写映画化の企画が浮上したが、あまりにも複雑かつ壮大なスケールの物語構成ゆえに、その企画は頓挫。その影響を受け、2008年以降、原作も絶版状態が続いていた。もはや、“幻”のコンテンツとなってしまった『エンダーのゲーム』。その伝説が波及するにつれ、ネットオークションなどでも高額取引の対象となり、さらには版元の早川書房にも復刊を渇望する声が届く中、ついに今年、その実写化が実現。映画の日本公開に先駆け、田中一江氏による「エンダーのゲーム[新訳版]」としての復刊が決定した。21世紀版としてリリースされる[新訳版]は、現代向けに言葉がアレンジされ若者にも読みやすく、活字サイズも大きくなり、上下巻に分冊。さらに、TBS「金スマ」のOPアニメやゆずのCDジャケットなどを手がける気鋭のイラストレーター・秋赤音が手がけるイラスト版と、映画ビジュアルを使用した二種類のカバーを巻き、それぞれ11月8日(金)に発売となる。映画『エンダーのゲーム』は2014年1月18日(土)より全国にて公開。