ヴェネチア国際映画祭、トロント国際映画祭などで上映され、海外でも大喝采を浴びた『許されざる者』。シネマカフェでは、公開前日に女性限定試写会を開催。来場した女性読者を対象に本作にまつわるアンケートを実施…女性たちの興味深い心理が明らかとなった。オリジナル版の西部開拓時代とは異なり、本作の舞台となるのは1880年の明治維新期。「二度と刀は抜かない」と決意した、かつて“人斬り十兵衛”と恐れられた男・釜田十兵衛。愛する妻と出会い、ようやく別の生き方を見つけるが、妻亡きあと、最北の地で幼い子どもたちと極貧生活を送る中、昔の仲間が“賞金首”の話を持ちかけてくる。子どもたちを守り、育てていくために止む無しと話にのった十兵衛だったが…。壮絶な殺陣シーンが魅力の一つとなっている本作だが、気になるのは女性の反応。本作を鑑賞後の満足度を聞いてみたところ、多くの女性が85%以上と回答! 「人を斬ったり、怖くて顔をしかめて観ていたのに最後、何だか守られた感じがした」(40代・女性)、「かなりえぐいシーンも多かったが、一瞬たりとも目が離せなかった」(30代・女性)と目を覆いたくなるという回答がありつつも、その映像の迫力に魅せられた人が多かったよう。さらに、俳優たちが魅せる緊迫感のある演技にも、女性たちの胸キュンポイントは高評価を付けたようで、「大切な人を守るということを深く考えさせられた」(30代・女性)「それぞれの人の、人を殺める瞬間、それを止めた瞬間、その直後の目…正義とは、正しさとは何なのかを迷わせてくれる作品」(20代・女性)、「家族と仲間のために正義を貫き通す難しさ、背負うものの重たさを考えさせられる」(30代・女性)など、“人を守る”ということに多くの人が考えさせられたようだ。また、今回は本作にちなんで「男性の背中がカッコいいと思った瞬間」&「カッコいい男の条件」を聞いてみた。そこで見つけた共通点が“上司の背中”。多くの人が「上司からのさり気ない気遣い」「仕事で困ったときに助けてくれる」「忙しいときほど、落ち着いた指示を飛ばせる」など身近なところでフッとさり気ない優しさを感じられるのが“上司”の気遣いだそう。一方で「カッコいい男の条件」はというと、「守るものがある人」(20代・女性)、「自分を曲げない人」(20代・女性)、「強さと優しさ、両方を合わせ持っている人」(30代・女性)など、まさに自身の信念を貫く主人公・十兵衛とピッタリと重なるのだ。さらに本作を上映後、十兵衛役の渡辺謙さん、女郎のお梶役の小池栄子さん、李相日監督によるトークショーが行われ、観客からの質問にそれぞれ違った意見で応答し、本作の舞台裏などたっぷりと語っていた。『許されざる者』は全国にて公開中。