今日は『座頭市THE LAST』でお世話になったKИHO(キノ)の20周年パーティーに行ってきました。同じような名前で「キノフィルムズ」という会社もありますがキノはそことは全く別の映画制作会社で、そこよりももっと前からある日本映画界におけるインディーズの雄のような会社です。僕のいる東宝は日本映画界で言えばメジャーの中のメジャーという感じですがそんな東宝とキノが『座頭市THE LAST』という作品でタッグを組めたのは本当に素晴らしい体験でした。プロデューサーの椎井さんからは“映画魂”とでも言うべき映画という物語にかけるスピリットを学びました。映画はあくまで作り物で虚構のものだけど、そこに魂を込めて創り込む人達がいてそこにこそ人間を、そして世界を動かせるものがある人間を突き動かすのは、人間が作ったものなんだと。言葉ではうまく言い得てませんが、とにかくそういう熱いスピリットを教わりました。僕はこの経験は一生モノだと思っています。そんなキノが20周年というのは本当に素晴らしいことだと思います。ただ、実際はキノはこの20周年というところで区切りをつけてここで解散といことになったそうです。僕も聞いたときはショックでしたが、椎井さん曰く「1つの役目を終えた」とのことだったのでその潔い引き際にまた感動してしまいました。正直この業界には既得権益にしがみついていつまでも残っている人達というのが少なからず居てその醜さにはただただ辟易するばかりです。そんな中、1つの役目を終えたところでスパっと身を引く。もちろんそんな簡単ではなかったと思いますが、それでもその決断にはただただ賛辞を送ることしか僕には出来ません。残念でありますが、拍手で気持ちよく送り出したいと思います。そして、パーティーに行ってきました。400人近い人達が集まっていて、色んな人達が色んな所で色んな話に映画(栄華)の花を咲かせていました。敢えて名前は挙げませんが、俳優・女優の皆さんや監督も錚々たる方々がいらっしゃってました。日本映画がここに集っている感じでした。僕は1m歩いては誰かに捕まっていた椎井さんにここ数年ハマっている石川直樹の本を何とかお渡ししました。震災時のボランティアに仕事で結局一回も顔を出せなかった僕を椎井さんはいつもの優しい笑顔で迎えてくれました。そして、ちょっと手持ち無沙汰にしていた僕を見て浅野忠信さんを紹介してくれたりして、本当に最後の最後までお世話になってしまいました。恵比寿の会場を辞したときに、恵比寿ガーデンプレイスの野外上映会場を目にしたのでちょっとそこで涼んで家路に着きました。実は僕は野外上映って本当に大好きで、映画界の星が1つ落ちたときに自分が大好きな野外上映会場に出会えたのは、映画の神様にまだまだ頑張れよと言われてるような気がして嬉しかったです。映画業界で20年輝き続けきたキノにとにかく感謝です。おつかれさまでした。そして、ありがとうございました!!日本映画界にこういう会社があったということを皆さんもぜひ憶えておいて下さい。【2013.8.8】