水谷豊&伊藤蘭夫妻が“夫婦初共演”を果たしたことで話題を集めている映画『少年H』。現在、ロシア・モスクワで開催中の第35回モスクワ国際映画祭「GALA(ガーラ)部門」に、邦画の実写映画として史上初の上映作品に選出され、水谷さんと伊藤さんに加え、メガホンをにぎった降旗康男が現地入りし、6月26日(現地時間)夜にて公式上映が行われた。阪神・淡路大震災の1周期となる1997年1月17日に、神戸復興の思いを込めて出版され、そのユーモラスな文体と魅力的なエピソードで瞬く間にベストセラーとなった「少年H」。異国情緒あふれる神戸を舞台に、戦争という激流の渦に巻き込まれながらも、勇気、信念、愛情を持って生き抜いた名もなき家族の姿が描かれる。上映に先立ち行われたレッドカーペット・アライバルでは、映画祭のメイン会場であるMultiplex Cinema October前にタキシード姿の水谷さんと、艶やか白の着物姿の伊藤が到着すると、詰めかけた大勢の観客からは歓声が沸き起こった。上映前には、水谷さんらが登壇しての舞台挨拶も行われた。舞台上では、映画祭から「特別作品賞」の表彰が与えられ、水谷さんは「いま静かに話しておりますが、飛び跳ねたい気分でいっぱいです」と喜びを語り、さらにロシア語で「会場のみなさま、心より感謝しています。モスクワ国際映画祭よ、永遠に。スパシーバ!」とスピーチを披露し会場は大きな盛り上がりを見せた。さらに伊藤さんも、「世界中の子どもたちの笑顔がずっと続くことを願いつつ、今日はみなさんと一緒に同じ気持ちを体感できればと思います」と母の顔で語っていた。その後行われた上映では、水谷さんが「思わぬところで笑いが起こっていて嬉しかったです」と日本との感性の違いに喜びを込めた驚きを口にするほど、観客から時折笑いが起こり、モスクワ国際映画祭での上映は見事幕を閉じた。『少年H』は8月10日(土)より全国にて公開。※写真提供:朝日新聞出版