短編映画の祭典「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」にて6月8日(土)、トヨタ自動車の「レクサス」により製作された5本の映画が上映され、映画祭代表の別所哲也、映画に出演したでんでんらによるトークショーが行われた。この日のプログラム「レクサス・ショートフィルム LEXUS SHORT FILMS」はクエンティン・タランティーノ監督やスティーヴン・ソダーバーグ監督を見出し、数々のオスカー作品を手がけてきたハリウッドのカリスマ・プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインが製作に協力。“Life is Amazing”をテーマに、世界5地域の監督を選んで製作されており、先日のカンヌ国際映画祭でも上映された。この日は、別所さんに加え、モデルの生方ななえ、雑誌「GQ」の編集長・鈴木正文も来場。別所代表はほぼ満席の会場を見渡し、「15年前に(映画祭が)始まった頃は『ショートフィルムって何?』とよく尋ねられたものでしたが…』と日本国内におけるショートフィルムへの理解の浸透に感慨深げ。別所さん自身もカンヌに赴き、ワインスタインとも対面を果たしたそうだが、ショートフィルム出身の監督が次々と長編映画の監督に抜擢され、世界的な監督へと飛躍していく現状に触れ、「ワインスタインもショートフィルムに注目してる。今回のレクサスのプログラムについても開催前にいろんな人から『レクサスは何をしようとしてるんだ?』と問い合わせがあったくらい注目を浴びていたし、現地でも大好評でした」と海を越えての熱気を明かした。この日は日本人の宮崎光代監督の『A Better Tomorrow』ほか全5作が上映されたが、中には主人公たちが置かれた詳しい状況や背景についてほとんど説明がないまま始まり、終わる一見難解な作品も。鈴木氏は「ショートフィルムは俳句や14行詩に似てる。語り尽くさない分、観る側が想像力を使うし、(解釈や結末を)勝手に作っていい。決定的な解釈がないからこそ盛り上がる」とその魅力を語る。ある作品の結末については壇上のゲストや観客の間でハッピーエンドなのか、それともアンハッピーなのか解釈が分かれ、熱い議論が巻き起こる一幕もあった。『A Better Tomorrow』は水が手に入りにくくなった未来の日本を舞台に、父親が遺した研究を続ける小さな少年と幼い妹の姿を描いた作品。途中で実写からアニメーションへ表現が切り替わるが、悪役を演じたでんでんさんは「アニメーションは素晴らしいんですが…」と言いつつも、アニメとなった自分の姿になんとも恥ずかしそう。「ショートフィルムって面白いですね」と改めてその魅力を再認識したようだが、別所さんから「ぜひショートフィルムの監督を!」と請われると、「それは無理です」と苦笑していた。主人公の兄妹を演じた鈴木海人くんと原涼子ちゃんは、撮影が「楽しかった!」と口を揃える。でんでんさんは「リハーサルのときから本当の兄妹のように仲が良くて日が暮れるまでずっと遊んでました」と現場での2人の様子を笑顔で明かした。「ショートショート フィルムフェスティバル&アジア」は東京・ラフォーレミュージアム原宿ほかにて6月15日(日)まで開催。