韓国映画界の鬼才パク・チャヌク監督が、ハリウッドからのオファーを受けて完成させた最新作『イノセント・ガーデン』。明日31日(金)の劇場公開を前に、少女が大人の女性へと変わる瞬間を鮮烈に描いた本作から、特別に7分半にも及ぶオープニング映像がシネマカフェに到着した。「プリズン・ブレイク」主演俳優のウェントワース・ミラーが自身の名を隠して執筆し、8年の歳月をかけて完成した脚本を、一読するなり心を奪われたパク・チャヌク監督。美術と音楽に『ブラック・スワン』のスタッフを迎えて作り上げられた、この唯一無二のミステリーには、いち早く映画を観た人々から「恐いけど美しい…」という賞賛のため息がこぼれているという。その衝撃的な世界観はオープニングからも健在。車から降り、ハイヒールの踵を鳴らしながら草原に向かって歩くのは、ミア・ワシコウスカ演じる主人公・インディア。スカートや髪が風になびき、草のこすれる音や虫の音が美しく響きわたる中で、囁くような彼女のナレーションは、これから明らかになるインディアのキャラクターを知る上で重要な手がかりとなっている。インディアが18歳を迎えた日、彼女の唯一の理解者だった最愛の父が交通事故で急死する。共に残された美しい母・エヴィ(ニコール・キッドマン)と列席する父の葬儀で、鋭すぎる感覚を持つインディアは、本来聞こえるはずのない遠くにいる人物からの心の呼びかけに気づく。それは、長年行方不明で、彼女は存在すら知らなかった叔父・チャーリー(マシュー・グード)の声だった。また、毎年届いていた誕生日プレゼントの箱は、今年はなぜか空っぽ。だがよく見ると、小さな鍵だけが入っていた。その鍵が、やがてインディアの運命を大きく変えていくことになるのだが…。映像に耳を澄ませていると、虫が床を這う音や、不快な音を立てながら割れていく卵の殻など、少女と大人の狭間で噛み合わなず、ぎこちない想いを抱えるインディアの、本来本人にしか聞こえないような細かな“音”も丁寧に拾い上げられていることが分かる。この映像を見たなら、インディアの繊細な感覚を体感しているかのように思えてくるはずだ。ストーリーだけでなく、映像やサウンド、こだわり抜いた装飾品なども含めて、ミステリーの域を越えた“芸術作品”にまで昇華させた本作。一瞬たりとも見逃せない圧倒的な美しさ、その一端をこの貴重なオープニング映像から覗いてみてはいかがだろうか。『イノセント・ガーデン』は5月31日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほか全国にて公開。※こちらの特別映像はcinemacafe.net記事ページよりご覧いただけます。(C) 2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.