Today's Quote“歴史は過去から繋がっている、という意識が欠けている。歴史は私たちの日常にも生きている、という意識も。あなたの人生は、歴史を生きること、生き直すことなんです。”-Stella Adler良過ぎて、びっくりした。そんな邦画いつぶりだろう。最初のカット。男の声が微妙にずれて重なるナレーション。最後のモノローグまで吸い込まれて。一瞬も目が離せなかった。こんなすごい人いたの、って。一見穏やかに流れる日常と 鋭角に突き刺さるシンプルな台詞。その度に急勾配に行き先を変えるストーリー。「赤ちゃんできたよ」。「好きな人がいるの」。「ごめんね、ほんとは赤ちゃんいるんだ」。円環する映画のビギニングとエンディング。シーンが変わる度に息が止まるような映像美。映画として美しい、けどそれ以上に決定的に格が違うと感じたのは歴史の中にわたしたちが存在することを知っていること。それを踏まえて表現する、姿勢。気になった監督の作品は全部観るけどちょっと河瀬監督のはまだ。なんかびっくりしちゃってほかのまだ観れない。キム・ギドク監督の『春夏秋冬、そして春』。男女の違いはあれど監督の情念の深さ。荘厳な自然と輪廻。好きな方はこれもどうぞ。『朱花(はねづ)の月』監督・脚本・撮影・編集: 河瀬直美キャスト: こみずとうた、大島葉子、明河哲也ほか