日本映画界の巨匠・山田洋次が、中島京子原作の直木賞受賞のベストセラー小説を映画化する『小さいおうち』。このたび、本作に松たか子を始め、黒木華、片岡孝太郎、吉岡秀隆、倍賞千恵子、妻夫木聡らが出演することが明らかになった。ある一人のおばあさんがひっそりと亡くなった。彼女の名は、布宮タキ。数日後、タキの部屋の後片づけをしていた親類の青年・健史は、数冊の大学ノートを見つける。ノートには、彼女が若い頃に女中として仕えた、東京の山の手の郊外に建つ、赤い三角屋根の“小さいおうち”での出来事が綴られていた。昭和10年代のモダンな東京の風物、美しい奥様・時子と5歳になる恭一坊ちゃんとの穏やかな家庭生活、そこに秘められた奥様の切ない恋。そして物語は60年以上の時を越えて、意外な形で現代へと繋がる…。東京郊外の“小さいおうち”で起こった小さな恋愛事件の真実を、昭和と平成の二つの時代を通して描き出す、山田監督初のラブストーリーとなる本作。昭和時代のパートでは平井家の奥様・時子を松さんが、平井家に仕える女中・タキを黒木さん、平井家の旦那様・雅樹を片岡孝太郎、雅樹の会社で働く青年・板倉正治を吉岡秀隆が演じる。さらに平成のパートになると、晩年のタキを倍賞千恵子、タキを慕う親類の青年・荒井健史を妻夫木聡が演じる。今回の決定を受けた松さんは、「山田監督に、時子という難しい役をいただき、感謝と緊張でいっぱいです。私にとって彼女は、まだまだミステリアスな女性ですが、素敵な共演者のみなさんと共に、しっかりとじっくりと撮影に臨みたいと思っています」と喜びを語る。さらに平成のパートで、晩年のタキを演じることになった倍賞さんからは「久しぶりの山田監督の作品に身を置いて、緊張しながらでも楽しく撮影ができたらなと思っております」と意欲あふれるコメントが寄せられた。本日よりにクランクインするという本作は、今年5月末のクランクアップを予定。2013年10月の完成を目指しているという。『小さいおうち』は2014年1月、全国にて公開。