最後のミーティングが終わり、マーケット試写に向かい、アニエス・ジャウイ監督の新作『Under the rainbow』へ。あまり良い評判を聞いていなかったけれど、やはり少しイマイチ。登場人物とエピソードがやや多すぎて、うまくかみ合っていない。せっかくのアニエス・ジャウイとジャン=ピエール・バクリとの共同脚本も、今回は残念ながら不発。
本日も9時からコンペ部門で、ダニス・タノヴィッチ監督新作で『An episode in the life on an iron picker』というボスニア・ヘルツェコヴィナの作品(写真)。小品ながら、これはなかなか素晴らしい。鉄くず回収で日々の暮らしをなんとかしのいで暮らす男と、その家族の物語。貧困という厳しい現実の中で、人間の愛はいかに有効たりえるかという問いかけがとてもシビアに、しかし暖かく胸を打つ…。リアリズム・タッチのルックもとても効果的で、これは賞に絡むといいなあ。