6日、水曜日。本日の朝はパソコン仕事とパッキング。フライトが午後なので、1本映画を観られるかなということで、8時半に外に出て、UGCレ・アールへ。9時10分から『Wadjda』(写真)というサウジ・アラビアとドイツの合作映画。昨年のヴェネチア映画祭で話題になった作品で、先日のロッテルダム映画祭では観客賞を受賞したようですね。ロッテルダムのあの膨大な作品数の中で観客賞を受賞するというのは、それはもうかなり大変なことであるはずです。ロッテルダムの一般上映が売り切れで観られず、悔しい思いをしていたところ、今日からフランス公開ということで、これはラッキー。10歳の少女ワジダがヒロイン。まだ慣習や戒律に縛られていない子供であるワジダの素直な行動を追うことで、保守的なサウジの社会の矛盾を緩やかなトーンで描いていく内容。告発色は薄いのだけれど、やはりイスラム社会における女性の立場の厳しさが強調されていて、観ていて心が痛む(「女の子は自転車に乗ってはいけない」とか、「男性に見られてはいけない」とか、父親が二人目の妻をもらうこととか)。厳しいはずの物語を、希望の持てるエンディングで締める姿勢がなかなか上手い。さて、これにてパリも終了。宿に戻り、荷物を担ぎ、タクシーでシャルル・ドゴール空港へ。ここに来て、パリは青空が出てきた!後ろ髪をひかれつつ、15時半のフライトに乗り、ベルリンへ。機中、どう見てもイザベラ・ロッセリーニにしか見えない女性が乗っていて、似ているなあ、と思っていたら、空港にベルリン映画祭のスタッフが迎えに来ていて、やはりイザベラ・ロッセリーニだった。ハハ。映画で見るより若く見えたので、違うかなと思っていたのだけど、最近の彼女は老け役が多かったということなのかな。美しかったです。17時過ぎに、春の出張最後の目的地であるベルリンに無事到着。ホテルにチェックインし、速攻でマーケット会場に行ってIDパスなどをピックアップして、やれやれと一息。しかし、ネットの接続が極めて不安定。ネット接続が不安定なことに不安定な気分になってしまう自分が嫌だ…。でも、本当にちょっと不安。大丈夫かな。20時に、東京からやってきた同僚Y嬢と久しぶりの合流を果たし、打ち合わせなどをしながら夕食。山盛りサラダと、どでかいウィンナー・シュニッツェル(ドイツ圏に来たら、何はさておきシュニッツェルが食べたい!)と、超美味じゃがいも。幸せ。さあ、明日からいよいよベルリン映画祭開幕です。