日本映画界の巨匠・山田洋次監督の3年ぶりの最新作にして監督生活50周年の記念作品となる『東京家族』で、このほど音楽界の巨匠・久石譲が音楽を手がけることが明らかとなった。夢の初タッグを組んだばかりの2人の巨匠から興奮のコメントが到着!いまなお海外の映画ファンから支持を集める小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』をモチーフに、山田監督が2012年の東京を舞台に“今の家族”の物語を描いた渾身の一作。瀬戸内海の小島で暮らす老夫婦が息子たちに会いに上京し、一時はバラバラだった家族が久しぶりに揃うもその生活の違いから徐々に関係に歪みが生じていくさまを丁寧に映し出す。久石さんは、『風の谷のナウシカ』などのスタジオジブリ作品を始め、北野武監督作『HANA−BI』や『おくりびと』、『悪人』などの作曲を手がけており、その類まれなる音楽センスは海外でも高く評価されている、日本映画界に欠かせない存在。7月半ばに収録が行われた『東京家族』の音楽は、ピアノ演奏が終わった瞬間、山田監督に「ブラボー!」と言わしめるほどの会心の出来に。久石さん自身、山田監督作品の大ファンだそうで「『男はつらいよ』シリーズや、『幸福の黄色いハンカチ』、『武士の一分』、『おとうと』などこれまでいっぱい観てきているので、ぜひ一度参加させていただきたいなと思っていました!」と初タッグの興奮を明かす。レコーディングでは、何度も打ち合わせを重ねながらじっくりと丁寧に収録していったというが、その出来栄えに日本映画界の巨匠の口からは「僕がイメージしていたような、“そんな音楽が聞きたかった”と思っていたようなメロディであり、楽想、音色でありました。大変、満足しています!」と手放しの称賛の言葉がこぼれる。一方、久石さんは「山田監督はすごく芝居を大切にされる方なので、音楽もできるだけ控えめというか、“あまり主張はしないんだけど、後ろでしっかり支える”ような、そういう音楽が書けたらいいなと思って取り組みました」と音楽へのこだわりを明かした。久石さん曰く“しっかり支える”音楽が、どのように山田監督の紡ぐ物語とキャラクターの感情にリンクしていくのか? いまや遅しと完成が待たれる本作は既に撮影を終えており、現在はポストプロダクション中。完成は8月末になるようだ。『東京家族』は2013年1月19日(土)より全国にて公開。