ミヒャエル・ハネケ監督の『Amour』(原題)が最高賞のパルム・ドールに輝いた、第65回カンヌ国際映画祭。監督のみならず主演を務めた名優2人(ジャン=ルイ・トランティニャン、エマニュエル・リヴァ)も登壇してスピーチを行い、大きな感動に包まれて映画祭は閉幕した。おしゃれ女王は断然、ダイアン・クルーガー!ハリウッド・スターも大挙した映画祭では12日間の開催期間中、女優たちも連日華やかなファッションで競い合った。とりわけ、コンペティション部門で審査員を務めたダイアン・クルーガーは文句なしに今年の映画祭の“おしゃれ女王”! 公式上映、ガラ・パーティなどのイベントで、さまざまなブランドのドレスを披露した。オープニング・セレモニーでは、「ジャンバティスタ・ヴァリ」のミントグリーンのシフォン・ドレス。ワンショルダーの肩から背中に流れる長いケープが、歩くたびに翻って美しいラインを描いていた。同日撮影の審査員の集合写真では、「ヴェルサス」のチョコレート色のセクシーなミニドレス。ほかに白いレースのドレスに紫のコサージュをあしらった「二ナリッチ」、「シャネル」、「ヴェルサーチ」、「ヴィヴィアン・ウエストウッド」、「バルマン」、「カルバン・クライン」などなど、どれも見事に着こなす。クロージング・セレモニーには、「ディオール」のオート・クチュールのドレスで登場。大きくふくらんだスカートで、フォトコールでは隣りのアレクサンダー・ペイン監督と距離が生じてしまうほどだった。2月のオスカー授賞式の刺繍ドレスが注目を浴びたジェシカ・チャステインは、オープニング・セレモニーに胸のカットが独創的な白のドレスで登場。ブランドはオスカー授賞式と同じく「アレキサンダー・マックイーン」だ。ヌードカラーとゴールドのコンビネーションが色白の肌に馴染む「グッチ・プレミア」のドレス、「ジョルジオ・アルマーニ」や「カルバン・クライン」など、カジュアル、セクシーと様々な要素を使い分けていた。現在妊娠中のリース・ウィザースプーンは、マシュー・マコノヒーと共演の『Mud』(原題)の公式上映に登場。エンパイア・スタイルの「アトリエ・ヴェルサーチ」のロイヤル・ブルーのドレスとハイヒールで体型をカバーした。赤のドレスで魅せた女優たち主演作『The Paperboy』(原題)公式上映時のニコール・キッドマンは「ランヴァン」のワンショルダーのドレス。落ち着いた赤で大人の女性らしい魅力を引き立てる。フォトコール時に着用の「アントニオ・ベラルディ」のドレスは燃えるような赤だった。オープニング・セレモニーで司会を務めたベレニス・ベジョの「ルイ・ヴィトン」のドレスも深紅。クリステン・スチュワートも「リーム・アクラ」の鮮やかな赤のドレスでレッド・カーペットに立った。クリステンが『On The Road』(原題)公式上映時に着た「バレンシアガ」のニコラ・ゲスキエールによる総刺繍のロングドレスは大胆なスリットが入ったセクシーなデザイン。「レベッカ・ミンコフ」のブレザーにバレンシアガの派手なプリントのパンツを合わせるなど、個性的なファッション・センスも発揮した。今年流行のネオンカラーの着こなしもリゾートという立地に映えるネオンカラーもキルスティン・ダンストを始め、多くの女優たちが好んで着ていた。ミア・ワシコウスカの「プラダ」のワンピースも愛らしい彼女の雰囲気にぴったり。「シャネル」、「エミリオ・プッチ」、「エリ・サーブ」なども人気が高かった。広告モデルを務める「ディオール」のドレスで決めたマリオン・コティヤールは公式上映時にはダーク・ネイビーと黒のロングドレスでクラシックなスタイル、日中のフォトコールではヌードカラーのワンピースと、TPOに合わせて変身してみせた。イベントの多い映画祭では、一人一人が数パターンのコーディネートを披露するのが楽しい。それにしても毎日、場合によっては1日のうちに何度もお色直しをしながら、ハズレはほとんどなしだったダイアンはお見事。出品作の審査にドレス選びに、と超多忙な12日間だったことだろう。特集:第65回カンヌ国際映画祭http://blog.cinemacafe.net/special/120510/© 2012 Getty ImagesPhoto © Charly HEL / Pix'HEL© 2012 Venturelli