日本VFX界の第一人者・山崎貴監督。その彼が最近はまっている海外ドラマが「GALACTICA/ギャラクティカ」だ。『ジュブナイル』、『Returner リターナー』、「鬼武者3」のオープニングムービー、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなど、その業績は枚挙にいとまがない。日本映画界にVFXという言葉を定着させた彼こそを魅了した「ギャラクティカ」の魅力について監督に聞いた。監督が「ギャラクティカ」の存在を知ったのは3年ほど前。「アメリカのSIGGRAPH(シーグラフ)というCGのコンベンションに行ったとき、プロダクションをいくつか見学させていただいたんです。そのひとつが、『ギャラクティカ』のCGを手がけているところで、いろいろと話を聞かせてもらいました。僕、『サイレント・ランニング』(1972年公開のSF映画。未来の世界で、唯一残った植物を守るため植物学者が苦心するというエコロジカル・ストーリー。映画の舞台となる宇宙船“ヴァリー・フォージ号”は、1978年のオリジナルシリーズ『宇宙空母ギャラクティカ』の船団の中で使いまわし(?)されていた)が大好きなので、スタッフに“ヴァリー・フォージ号も出したらいいんじゃない?”なんて話をしたら、“ちゃんと出演させるよ”って、作りかけのモデルを見せてもらいました(笑)。オリジナルを大事にしながらも新しい作品を作ろうという気持ちがビンビン伝わってきましたね」。とは言うものの監督にとって、「宇宙空母ギャラクティカ」はダメSF。新作が出来るとは言っても「あの『ギャラクティカ』だしな」くらいの思いしかなかった。「うちのスタッフの中に“隠れSFオタク”が何人かいまして(笑)。“『ギャラクティカ』評判良いらしいね”って言ったら、その彼が“とにかく今回のギャラクティカは、とんでもなくすごい”って力説するんです(笑)。TVで序章から見始めたらしいんですが、もうあまりにすごすぎて、TVで観るのを途中で止めちゃったそうです。“DVDリリースのタイミングで一気に見たいから”って(笑)。そうなると、僕の中でもどんどん期待が高まっちゃいますよね。『期待が高まる』というのは、作品にとっては良くないんですよ。合格のハードルがあがるので。でも、実際見たら…。いや、本当に参りました。大傑作。びっくりです」。その魅力は脚本にあると言う。「ドラマとしてすごく骨太。やっぱりSFに人間ドラマを織り込むのは難しいんです。特に映画は短いですから。設定の説明だけで相当時間を喰ってしまう。パターンにはまった、シンプルでありがちなストーリーを、設定の面白さで魅せる、というのが2時間の映画の手段なんですが、TVシリーズだとここまで出来るんだ、と驚かされましたよ。“人類を救う”という大きなテーマや愛憎劇、職務に対する思いなど、人間ドラマがしっかり描かれているんです。バルター博士の設定も魅力的ですよね。人間的に弱い男が、大変なことをやらかして、罪の意識に追われながら、それでも自分は卑怯に生きていきたいって…。だけど共感できちゃうんです。自分でも同じことするだろうなあ、って(笑)。『根っからの悪人じゃないんだけどなあ』とか思っちゃう」。では、監督のイチオシはバルター?「それはダントツで“ブーマー”ですよ(笑)。アジアンビューティー、頑張ってるじゃないですか! アメリカのSF映画って案外、マッチョな女性が普通に出てきますよね。アメリカ人は“スターバック”とか好きなんでしょうねえ(笑)。でも“ブーマー”にはわびさびがありますよ。ブーマーみたいに繊細で、弱さを秘めてるキャラクターって、日本人好みだと思います」。「GALACTICA/ギャラクティカ」【起:season 1】DVD-BOX 1http://www.galactica-saga.com/発売元:株式会社デイライト販売元:アミューズソフトエンタテインメント株式会社価格:13,440円(税込)発売日:DVD-BOX 1 5月23日(金)、 DVD-BOX 2 7月25日(金)レンタル開始:Vol.1・2・3 5月23日(金)、Vol.4・5 6月27日(金)、Vol.6・7 7月25日(金)本編:約452分 DISC:4枚(序章〜#106 計7話収録)海外ドラマ案内 ドラマパスポートhttp://www.cinemacafe.net/drama/galactica/Film ©2004/2005 Universal Studios. All Rights Reserved.
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