梅雨を忘れる清涼な映画vol.4 風が心にまで吹きぬける『殯の森』
今年行われた第60回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でグランプリに輝いた『殯の森』。そのニュース直後に顔を合わせた某誌編集者と私は、「もったいないよね」と話していました。作品のグランプリ受賞は素晴らしいニュースですが、発表は5月の末。6月からの公開ということで、宣伝期間が短いのが“もったいない”という発言の真意。
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宣伝というものは、長くも短くもないのがベスト。飽きられる手前で、まんべんなくメディアの露出を図るというのが理想です。ですから、1か月弱というのは短すぎ。以前、カンヌに出品された是枝裕和監督作『誰も知らない』は、史上最年少&日本人初の同映画祭最優秀男優賞を受賞した柳楽優弥のメディア露出がものすごく、その効果も大いにあって大ヒット。一般公開時の劇場も連日超満員でした。
業界で『殯の森』を知らない人はいなくても、世間一般ではカンヌの結果も、河瀬直美監督の新作も、ましてやそのタイトルも浸透していない可能性は高し。認知症という題材に興味を持つ人はたくさんいるはずなだけに、やっぱりちょっと“もったいない”。実は先日、グランプリ受賞直後の特番としてNHKで本編をハイビジョン放送していました。試写に行けなかった私はそれで鑑賞できたのですが、これによるクチコミが期待できそう。
さてさて、作品の方ですが、観たら心が洗われるような物語。奈良県郊外のグループホームを舞台に、幼い子供を失い自分を責め続けている若い女性と、33年前に死別した妻を今も想い続ける認知症の男性が、生きるという感覚を取り戻していくストーリー。
シンプルな物語ですが、生と死を深く見つめた傑作です。そして、彼らを包み込むような森の描写が美しい。特に、印象的なのが森に吹く風。さわさわという心地良い音とともに森の木々を揺らしたり、草をなでたりと、まるで目に見えるよう。深い喪失感を抱え、生きる実感を持てなくなった2人が、自分の中の生を再び取り戻していく過程では、その風が、閉ざされた彼らの心にも徐々に吹き抜けていくような清々しさを感じさせてくれます。
というわけで、私にしてみれば、本作の宣伝期間が短いのも“もったいない”話ですが、観ないのも極めて“もったいない”。この清涼感、ジメジメした梅雨にこそぜひ味わってほしいものです。
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