メジャー映画とインディペンデント映画の間を自在に往き来し、センスのいい作品選びと独自のスタイルで男女を問わず幅広いファンを持つジョニー・デップ。近年ではハリウッド大作に出演したり、今年はアカデミー賞にもノミネートされるなどますます人気の高まる中、盟友であるティム・バートン監督の新作『チャーリーとチョコレート工場』のプロモーションのため、ついに『デッドマン』以来10年ぶりに公式来日を果たした。ジャパン・プレミアの行われたこの日はあいにくの雨模様。しかし悪天候をものともせず集まったファンたちが、会場となった六本木ヒルズアリーナとその沿道を埋めつくした。中には早朝の4時から待ち続けたという強者も! プロデューサーのリチャード・D・ザナック、音楽のダニー・エルフマンに続いてバートン監督、そしてデップが姿を現すと悲鳴にも似た歓声がわき起こった。沿道に詰めかけたファンのために嫌な顔ひとつせずサインや握手に応じ、やっとステージにたどり着いた来日メンバー。あまりの熱狂ぶりにさすがのバートン監督も驚いたようで「こんなに静かで穏やかなイベントに来られて嬉しいです!」とジョークで答えた。一方のデップも「熱烈な歓迎にびっくりしましたが(こんなにたくさんの方に会えて)嬉しいです」と日本のファンの印象を語った。また、バートン監督とのコラボレーションは12本目となるミュージシャン、ダニー・エルフマンも来日。原作者のロアルド・ダールの詠唱に曲をつけた、ウンパ・ルンパ族のミュージカルシーンで流れる音楽は聴くだけで体が動き出してしまう。1人で20人分のウンパ・ルンパ役をこなしたディープ・ロイが来日しなかったのは残念だが、デップのウィリー・ウォンカ役と並ぶハマリ役である。最後は7色のシャボン玉が六本木の夜空に飛び交い、会場は映画さながらのファンタスティックなムードに。この演出にはデップやバートン監督も顔をほころばせていた。ちなみに映画に出てくるWONKA社のチョコレートはアメリカやイギリスでは実際に販売されているとのこと。果たしてそのお味は…?前作『ビッグ・フィッシュ』では“大人になった”と言われたバートン監督だが、本作では本来の遊び心やブラックなテイストも完全復活! 原作に負けるとも劣らないポップでサイケなティム・バートン・ワールドを築き上げた。1971年のジーン・ワイルダー版と見比べてみるのも面白いかもしれない。幼児性とカリスマ性を兼ね備えたウィリー・ウォンカに扮するジョニー・デップの変身ぶりはぜひ劇場で!