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【ヴェネチア映画祭レポートvol.12】ヴェネチアのサプライズは最後に特大が…
さて11日間続いた映画祭もこれで終わり。ふり返れば、ネットがつながらなかったり(プレス登録に50ユーロも払ったのに!)、もろもろ段取りが悪かったり、物価が高かったりと、最初は不満もあったが、いつしかヴェネチアのゆるい風にすっかりはまってしまった。また来年も足を運んでしまいそうだ。毎朝、『旅情』でキャサリン・ヘプバーンがコーヒーを飲むサンマルコ広場を通りぬけ、『リトル・ロマンス』で小さな恋人たちが目指すため息の橋を眺めながら、船に乗って『ベニスに死す』の舞台であるリド島に向かう…なんて、よく考えたら贅沢だもの。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.11】まだまだ続く、ヴェネチア・サプライズ
続くサプライズは、男優賞がブラット・ピット(『アサシネーション・オブ・ジェシー・ジェームズ・バイ・カワード・ロバート・フォード』)、女優賞がケイト・ブランシェット(『I’m Not There』)と、『バベル』の夫婦コンビだったこと。『バベル』の監督、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが審査員だったから、というわけではないとは思うけど。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.10】審査員全員一致の金獅子賞『ラスト、コーション』
今年のヴェネチアはサプライズだらけ。アン・リーの『ラスト、コーション』の金獅子賞(グランプリ)の受賞は、現地ではかなり予想外として受け止められていた。でも、このレポートを最初から読んでくれた方にはおわかりのように、私は最初から『ラスト、コーション』に心を奪われ、結局、最後までその衝撃から抜け出せなかった。ただ、さすがに作品賞は無理かも、と思っていたんだよね。何せアン・リーは2年前に『ブロークバック・マウンテン』でグランプリを獲ったばかりだし、去年のジャ・ジャンクーの『長江哀歌』と、このところ中国系監督の受賞が続いていたので、なんらかのバイアスがかかるかと思いきや、審査員全員一致で決まったそう。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.09】映画祭常連のジョニー・トーは本物の天才!
ヴェネチア映画祭では毎年恒例で、コンペ作品のうち1本をサプライズとして、映画祭開始後に発表している。今年のサプライズ作品は、香港のジョニー・トーとワイ・カーファイが共同監督した『Mad Detective(神探)』。昨年の『Exiled(放・逐)』に続いて2度目のコンペ入りとなったジョニー・トーは、カンヌ映画祭の常連でもあり、海外の映画祭に引っ張りダコの存在。ジョン・ウーやアンドリュー・ラウのように海外進出を狙わず、ひたすら香港にこだわり続けている彼は、仏のカイエ・デュ・シネマ誌が「香港の孤高のサムライ」と呼ぶように、ほかの誰も思いつかないような映画技法、そしてストーリー・テリングを毎回ぶつけてくる。私が思うに、この人は本物の天才だよ。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.08】和製で本拠地に乗り込んだ三池監督のすごさ
日本から唯一コンペティション部門に参加した『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』。公式上映は深夜12時からにもかかわらず異例の満席で、主演の伊藤英明はもう始まる前から興奮を抑えられない様子。実際、上映中は何度も歓声が沸くほど盛り上がり、満場総立ちの観客から拍手を浴びた三池崇史監督は、「映画が一人歩きし始めたのを実感しました」と感無量だった。その際、きらりと目に光るものがあったが、後で尋ねると「いや、あくびをしたせいですよ」と照れ笑い。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.07】まずは健康に! オーウェンの新作が登場
コンペティション部門の中でもウェス・アンダーソン監督の『The Darjeeling Limited』(原題)ほど、さまざまな憶測を呼んだものもない。というのもすでに報道されているように、主演のオーウェン・ウィルソンが、映画祭直前に手首を切って自殺を図ったのだ。幸い生命に別状はなかったが、当然、映画祭は欠席に。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.06】レッドカーペットでブラピにトラブル!?
ヴェネチアを大挙して訪れたハリウッド・スターの中でも、注目を集めたのは、やっぱりブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーのカップル。以前は私生活に関する質問に敏感だったブラピだが、伝説のガンマン、ジェシー・ジェイムズを演じた主演作『アサシネーション・オブ・ジェシー・ジェームズ・バイ・カワード・ロバート・フォード』(原題)の会見では、父親業について聞かれても余裕の表情。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.05】総勢10名! 浅野忠信らレッドカーペット
映画祭には世界中からゲストが参加しているが、上映作品中、もっとも多くのキャストがレッドカーペットを歩いたのは、オリゾンティ(地平線)部門で上映された青山真治監督の『サッド ヴァケイション』チームだろう。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.04】コンペにハリウッドスター大集合!
30日、31日と、コンペにはスターの主演作が続々と登場! マイケル・ケイン、ジュード・ロウの新旧“アルフィー”が競演した『スルース』(原題)は、1972年の傑作ミステリー『探偵/スルース』のリメイク。オリジナルは老作家役のローレンス・オリビエと、色事師役のマイケル・ケインの丁々発止の騙しあいが見ものだったが、今回は老作家をマイケルが演じ、色事師にジュードが扮するという趣向で、演技合戦を繰り広げている。監督は俳優でもあるケネス・ブラナーで、ジュードの役はもう少し若ければ自分で演じたかったに違いない。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.03】『ラスト、コーション』がとにかく衝撃的
vol.1のレポに書いた衝撃的な映画とは、アン・リーの新作『ラスト、コーション/色・戒』のこと。前作『ブロークバック・マウンテン』では男同士の愛を描き、ヴェネチアのグランプリ(金獅子賞)を獲得したアン・リーだが、今回は日本軍占領下の香港と上海を舞台に、男女の性愛を真正面から描いている。30日に行われた公式記者会見では、その性描写の激しさと生々しさに、「実際に行為はあったのか?」と聞かれたアン・リーは、「君はこの映画を観たのかい? 観たならわかるだろう?」とにんまり。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.02】“世界のキタノ”より“足立区のたけし”?
ヴェネチア映画祭2日目の8月30日、特別招待部門であるヴェネチア・マエストロ部門に北野武監督が登場。招待作『監督・ばんざい!』の上映に先立ち、北野監督へ今年から新設された“GLORY TO THE FILMMAKER!賞”が贈られた。この賞は挑戦的で偉大な監督を表彰するもので、ヴェネチア映画祭に長年貢献してきた北野監督の『監督・ばんざい!』の英語タイトル『GLORY TO THE FILMMAKER!』から名づけられたもの。ヴェネチア映画祭ディレクターのマルコ・ミューラー氏は監督を「大きな実績がありながら、常に新しいことに挑戦する監督」と紹介。監督は照れ笑いしながら、「こんな賞をもらったときに、最も自虐的な映画を撮ってしまってすみません。我慢して観てください」と語ると、満場の観客から大きな拍手を浴びていた。
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【ヴェネチア映画祭レポートvol.01】初日から衝撃的な映画で記者会見が楽しみ!
第64回ヴェネチア国際映画祭が8月29日、ヴェネチアの南にあるリド島で開幕した。開幕式には、オープニング作品である英国映画『Atonement』(原題/ジョー・ライト監督)に主演したキーラ・ナイトレイをはじめ、共演のヴァネッサ・レッドグレーヴや、審査委員長であるチャン・イーモウ、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥらが参加。繊細なレースのドレスに身を包んだキーラがレッドカーペットに登場すると、「キーラ! キーラ!」の大合唱が起こり、キーラも笑顔で握手やサインに応じていた。